GGO編
九十六話 力と速さ
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破壊の権化だとか、着流し浴衣のチャラけた野郎だとか、大食いだとか……実は只の殺人鬼だとか、嘘か真か分からない噂が幾つもその名前には付き回っていたのだ。
さて、実を言うと、闇風は以前に何度か、それもSAOの内部で件のジン……リョウコウに会ったことがある。
まあその頃の彼女とリョウは店主と客の立場で有ったため彼の人格の詳しい部分までは知りうる事は無かったのだが、学校で始めて彼に出会った時は驚いたものだ。
そんな彼の戦い方は、記憶が確かならばパワー重視の一撃必殺型。一撃でも当たれば一気にHPを持って行かれる恐ろしく破壊力の有る戦い方だった。
しかしこの世界で戦うとなった時点で、リョウが誇った破壊力の殆どは封じる事が出来た筈だったのだ。何故ならば、GGOに置ける“一撃の威力”とは即ち使っている銃その物……“武器”によって決定されるのであり、恐らくは彼の破壊力の源だったのだろう筋力値は(無論威力の高い銃には重いものが多いにしろ)直接的には関係して来なかった筈だからである。しかし……
『どうやって手に入れたってのよ重機関銃……!』
先程の四回戦。追い詰められたかに見えた彼が使用した銃は、七割を残していたダネルのHPを一気に削りきると言う、有り得ない威力を見せつけた。
聞こえた銃声から察するに重機関銃だろうが、随分とレアな物を持って居るではないか……まぁそれ以前に其れを個人で打ちまくって居ると言うのがおかしいのだが。
『おまけにメインはXM29のサブがDE!?どうなってんのよ彼奴の武装は……!』
何時からコンバートしていたのか知らないが、やたらレア装備で固められている。その姿に、闇風はある一人のあまり好きではないプレイヤーを重ねる。
前回のBoBに置いて、自分が敗北したゼクシードと言う男性プレイヤーだ。
彼は今リョウがメイン武装にしている、XM29を使用して自分に打ち勝った。勿論それは正当な勝ち方だし、もし仮にあの銃がゼクシードが金に任せて手に入れた物だったとしても、それはこのゲーム。GGOをプレイするプレイヤー達に与えられた正当な権利である。それに、今回の大会にはどういう訳か出場していないようだが、ゼクシードについては次に試合する機会さえあれば絶対にリベンジすると心に決めている。
闇風が彼に関して気にくわないのは其処ではない。
実を言うと、今の闇風が持つこのビルド。高AGI型を初めに強ビルドであると言い出したのはゼクシードであったりする。
そして実際、その言葉は事実であったと言えるだろう。GGOサービス開始当初はこのAGI型は、他を圧倒する機動性と命中率で凄まじい強さを誇ったのだ。しかしそれすら、ゼクシードにとっては計算の内だった。
ゲームのサービスが軌道に乗り始め
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