第五十八話 活動再開その一
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第五十八話 活動再開
琴乃は母とお茶を飲んだ後勉強を再開した、そして次の日朝に部室に行くとそこには部長が上下共に赤のジャージ姿でいた。
その部長がだ、準備体操をしながら琴乃に言ってきた。
「早いわね」
「あの、部長さんは」
「今来たところよ」
部長はにこりとして琴乃に答える。
「ちょっと思うところがあってね」
「うちの部活今日は」
「朝練ないわよ」
この日はというのだ。
「だから皆来てないでしょ」
「はい」
「私も走ったりするつもりはないから」
その考えはないというのだ。
「走るのは夕方よ」
「その部活の時ですね」
「そう、そうするつもりだけれど」
「じゃあ今はどうして」
「ちょっとね、楽器を演奏するつもりなのよ」
それでここに来たというのだ。
「練習というかウォーミングアップでね」
「そうなんですか」
「そう言うあんたは?」
部長は今も準備体操をしつつ琴乃に問うた。
「どうしてここに来たの?」
「最近気が抜けてまして」
文化祭からそうなっていたことを部長に話してそれを答えにした。
「それで気を入れなおそうって」
「そう思ってなの」
「ここに来ました」
「じゃあ着替えて走るとか?」
「そういうのじゃなくて」
琴乃もその考えはなかった、走ったり身体を動かそうとはだ。
ではどうしてここに来たのか、琴乃は部長にその理由も話した。
「ちょっと楽器を演奏しようかなって」
「そう思って来たのね」
「部長さんと同じですね」
琴乃は微笑んで部長の顔を見て言った。
「そうですね」
「そうね、奇遇ね」
「部長さんもやっぱり気が抜けててですか?」
「いや、何か昨日の部活で使ってる楽器の調子が気になったから」
それで来たというのだ。
「大丈夫かどうかね」
「確かめに来られたんですか」
「夕方でもいいけれど気になったから」
部長は琴乃に笑って話した。
「それで来たの」
「そうですか」
「じゃあ今からね」
部長は準備体操を終えてから琴乃にまた言った。
「私は私でやるから」
「それじゃあ私も私で」
「私は確かめるだけだから」
自分が使っている楽器の調子をだというのだ。
「やってみるわね」
「一緒に演奏とかは」
「そうしてみる?たまたまとはいえ今一緒にいるしね」
部長は琴乃の提案にあっさりと乗って返した。
「そうする?」
「はい、それじゃあ」
「そうね、じゃあ曲はね」
どの曲にするかは部長が話した。それは琴乃も知っていてギターで演奏出来る曲なので問題はなかった。
それでだ、一緒にその曲を演奏してみると。
部長は笑顔でだ、こう琴乃に言った。
「よかったわ」
「楽器がですか」
「ええ、問
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