第十話
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
銀河帝国と自由惑星同盟ではその思想の違いから艦艇の性能に差異が出でている。
帝国において艦艇の使用目的は反乱の鎮圧(自国領内部、同盟問わず)、帝国や貴族の権威を示す役割、平民への威圧である。
同盟において艦艇は純粋に戦闘目的だ。対帝国戦だけを考え、効率化を極限まで進られている。
同盟軍の艦艇を帝国軍と比較すると、艦の規模が小さくて防御力は劣るが、機動力は上回る。主砲の収束口径は小さいが砲門数は多いため、トータルの攻撃力は互角ないし上回る。そして、惑星表面への離着陸能力を持たない一方で、艦外にレーダーや通信アンテナといった電子戦装備を設置する場所を大きくとれるため、電子戦能力、さらに艦隊運用のソフトウェアは帝国軍艦艇に対して決定的に勝る(イゼルローン要塞攻略にたびたび優れている面が見られる)。そして同盟軍の艦艇はよく言って無駄のない、悪く言えば余裕がない設計思想のため戦闘継続能力が劣る。
さらに艦種ごとに細かく分けることができるがそこはひとまず置いておく。今通常空間であまり関係がないこの情報を持ってくるのはこの危険地域での戦闘でおいては重要だからだ。
同盟軍は、その小さいサイズと機動力、さらにすぐれた通信能力と各所に配置された通信衛星との連動を行い通常空間と遜色ない行動を可能とした。
一方の帝国軍は自らの弱点をさらしだしていた。星間物質、恒星風、小惑星により通信は困難を極め、自らの大きなずうたいは行動を制限した。
ほとんどの人が紙に書かれた迷路をやったことがあるだろう。一方遊園地などにある実際の迷路をやったことがある人は少ないはずだ。遊園地にある迷路は人の高さ以上の壁を用いて作られていている。やったことのある人ならわかるだろうが後者の難易度は前者に比べ比較にならないほど高い。そして今回においては同盟軍が前者であり帝国軍が後者である。しかもこの迷路は動くのである。
同盟軍では通信・監視衛星と事前の調査によりあらゆる方向の情報を収集しさらに各艦でその情報をやり取りし計算、さらにその情報を単座戦闘艇(戦闘機みたいなもの)もその通信網に組み込まれた。それぞれ視界に移るものだけではなく数歩先の小惑星や敵艦を補足し行動を行った。
一方の帝国軍は目の前の情報しかわからず、しかもそれは各艦一隻単位のものにすぎなかった。元から劣悪な通信状況は妨害電波によりさらに低下し陣形の維持すらままならなくなっている。
ファーレンハイト艦隊はわずか一時間で壊滅した。交戦している艦隊数こそ限定されたが至近距離での戦闘は敵味方問わず中和磁場と装甲を容易に打ち破り戦闘が即座に終わったからだった。同盟軍の被害は500隻以下に留まった。
ファーレンハイト艦隊の全滅を知らないクナップシュタイン艦隊は交戦を続けていたが4時間たっても同盟軍に変化はなく艦隊の
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ