暁 〜小説投稿サイト〜
時と海と風と
刻針海賊団とフーシャ村
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真面目に相手にするだけ無駄なのである。ちなみに、こいつのストライクゾーンは大体八歳から十三歳付近。十五を超えると年増、二十を超えるとババァらしい。とんでもねえな。エドックは現在二十一歳である。海軍呼んだ方がいいのであろうか。

「死ぬなら、可愛い女の子の腕に抱かれてがいいな……。あ、歳は十一で」
「ようし、お前さんの望みは叶わねえ。今ここで果てやがれ」

 ――そーれいっ!
 ――あああああああぁぁぁぁ…………。

 村に男の悲鳴が響き渡った。俺に蹴り飛ばされたエドックである。数回バウンドののち地面を二十メートルほど滑走して止まったが、やつご自慢の青髪は土だらけ。ふふん、ざまあみろ。
 世のため人のため性犯罪者撲滅とは、うむうむ、海賊でありながら実に見事な善行である。正義は我にあり。俺は晴れ晴れしい顔で額の汗を拭った。別に汗は掻いていなかった。

 念のため言っておくが、エドックが持っていた買い物袋は蹴り飛ばす寸前にぶんどっておいたので無事である。今後の俺たちの飯となるものをぐちゃぐちゃにするわけにもいかん。

 地面に倒れ伏したエドックへと近づき、げしげしと蹴りつけながら話しかける。

「……で、酒場での聞き込みの結果ルフィ少年の居場所は分かったんだが、どうやら今は村にいないらしい」
「ごふっ、ちょ、船長……そろそろ蹴るのやめて……。僕には幼女以外に蹴られる趣味はないから……」
「なもんで、とりあえずこの酒場で昼飯食うぞ。ルティア回収すっからフラフラすんなよ」
「……うん、了解だよ。そもそも幼女のいない村に用なんかないさ。しっかりついていくから心配しないでほしい」

 色んな意味でこいつはもう手遅れだと思った。
 俺が蹴るのをやめたため土を払いながらのそのそと立ち上がるエドックに、俺は諦観と諦念と諦めが入り交じった目を向ける。うん、こいつはもうほっとこう。

 さて。今名前が出たルティア、こいつが俺の船の最後のメンバーのことである。現在十四歳であるため辛うじてエドックのストライクゾーンからは外れている。といっても、エドックもルティアも数年前から俺の船に乗っているため、去年までの何年かはエドック節が猛威を振るっていたのだが。
 心底困った様子で迫りくるエドックを押し留めるルティアの様子は、なんというか、見ているだけで涙を誘うものであった。ルティアよ、力ない俺をどうか許して欲しい。俺にはこの変態を止めることなど到底不可能だったのである。なんだか笑いながら眺めていただけで止めようとしたことなどなかったような気もしないでもないが、別にそんなことはなかったはずだ。うむうむ。

 そんなことを考えながら歩いているうちに、俺は件の人物(ルティア)を発見した。
 ルティアは先ほども言った通り十四歳。金髪を肩に掛からな
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