刻針海賊団とフーシャ村
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いる。さらに非常時には戦力としても働けるなかなか有能な奴なのだが、万一相対した相手が幼女だった場合は一方的に敵の攻撃を受けるだけのゴミクズと化してしまう。つまるところ変態である。
そのためあいつが幼女と戦うことになったときは俺が問答無用でその幼女をぶっ飛ばすのだが、そうすると今度は船長である俺に攻撃を仕掛け始める始末。自分の船の船長に攻撃を仕掛けるとは何事だ、あのアホめ。
ロビンは船室の中へと入っていった。恐らく言葉通りエドックに昼食のことを言いに行ったのであろう。
「はて、さて……」
俺は立ち上がって船の遠く前方を見据えた。
「いざ、ドーン島フーシャ村へ」
船は風に押されて進む。
目的の島は肉眼でも小さく見えるところまで来ていた。
* * *
「いない?」
「ええ、そうなんです」
村から少し離れた所に船を停泊させて徒歩でフーシャ村へと入った俺たちは、それぞれ分かれて行動を開始した。買い出しやら何やらである。ちなみに俺は目的の少年、ルフィを探している。が、ためしに入った酒場で店主の嬢ちゃんに聞いてみたところ、どうやらルフィ少年は現在村を離れているんだそうだ。というのも、彼の祖父の意向でダダンという山賊の一味に預けられているかららしい。
ううむ、どうやらルフィ少年の祖父とやらは随分と破天荒な人物のようである。幼少期から山賊に育てさせるとは、自分の孫をそれほどまでに悪の道に引きずり込みたいのだろうか。祖父は滅多に島にいない人物らしいので、おそらくは海賊なのであろう。見上げた海賊魂である。
「それにしても、船長さん――あ、シャンクスさんですね――とお知り合いの方だとは思いませんでした」
「いやぁ、あいつが自分の腕をかけても惜しくないと言い切ったガキなんでな。どうにも会ってみたくなったのよ。それでわざわざ船走らせてきたってわけで」
例のガキンチョについて語るシャンクスの表情は、こいつもこんな顔できる歳になったんだなぁと時間の流れを俺に感じさせるものであった。
俺がそれまで知っていたシャンクスは、いつだって自分がひたすら前へと突き進むことだけに精一杯でそれ以外はほとんど見えていなかった。だというのに、今のあいつは自分の後ろに続く者の存在を認識し、さらに道を示すことまでやりとげている。まったく、あいつも大人になったものである。
「そんで、そのダダンとかいう山賊は一体どこにいるんだね?」
「村の裏にあるコルボ山というところなんですが……あの、明後日ルフィたちの様子を見に行こうと思ってますから、その時ご一緒しますか?」
「おお、そりゃあいい。別に急いでるわけでもないんで、しばらくはこの村に滞在させてもらおうかね。っつーわけで明後日は道案内
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