刻針海賊団とフーシャ村
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行動などもう慣れたものなのだろう。すでにこいつとは何年もの付き合いである。
「おいおい、そりゃただのガキなら俺もそこまではしねえさ。……多分だが」
「最期の一言で前半の言葉の信憑性がガタ落ちよ?」
「まー気にすんな。……でだ。あのシャンクスが片腕を捨ててまでも助けたガキだぞ? こりゃ気にするなって方が無理だろうよ」
「それは、たしかにそうね。赤髪は最近の勢いある若手海賊の代表格、おまけにあの海賊王の船に乗っていたのでしょう?」
「おう。つっても当時は見習いだったがな。それでもその頃からすでに中々面白いやつでよ、俺がロジャーの船に喧嘩売りにいった時とかは真っ先に突っ込んで来たりしやがるんだ、あいつ」
まあ毎回一発で吹き飛ばして終わりだったがな。わはは。そりゃ世界最強にたかだか十五歳程度の若造が挑んでもそうなるだろうよ。
だが、最近のあいつならもう一発KOじゃあ済まんだろうなぁ。どうやら順調に実力をつけてきているようだ。先日数年ぶりに再会した時には、纏う雰囲気がかなり洗練されてきてやがった。
「いつの間にやら覇王色にも覚醒してやがるし……今はまだ名を上げ始めたばかりだが、ありゃあっという間に上まで登ってくるな」
「ふふ、私はまだそれほど面識もないけれど、あなたが言うならきっとそうなのね」
覇王色の覇気――数百万人に一人の確率で身に付けられるという王者の力である。直接戦うまでもない格下はこの力を使って威圧するだけで意識を失うため、雑魚を間引くには非常に便利だ。名だたる海賊の多くはこの覇気を身に付けており、彼の有名な海賊王、ゴール・D・ロジャーもまた然り。
そしてその力を持っているということは、シャンクスもまた海賊の高みへと至るだけの資質を備えているということなのだろう。あいつが俺たちと同じ舞台まで登ってくる日が心底楽しみだ。
「それにしても、海賊王の船に一人で挑んだ人間も多分あなたくらいのものじゃないかしら」
「まあ流石に滅多に勝てなかったがな。ロジャーとレイリーが組むと流石の俺でもちときつかったもんで」
「……むしろたまに勝っていたことに驚いたわ」
「ふふん、どうでい。そら、褒めたくなったか? 称えたくなったか? んん?」
「それはそれとして……今日のお昼は何かしら」
こいつ、さらっと流しやがった。最近ロビンの俺に対する対応がおざなりになってきているような気がするんだが……ううむ、反抗期であろうか。まったく、困ったもんだぜ。
「どうせもうすぐ島に着くんだ。飯はそこで食おうや」
「あら、それじゃあエドックには昼食は作らなくていいと伝えておくわね」
「おう、任せたぜー」
エドックとはこの船のコックを務める男のことである。料理の腕は大したもので、この船の台所事情は奴に一任して
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