暁 〜小説投稿サイト〜
Angel Beats! the after story
彼女は面倒見のいいお姉さん
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Eその他←これといって体験したいのは無いから却下


やっぱり無難に保育士かしら。そう結論がみえてきた時に声をかけてくる人がいた。

「ゆりちゃん決まった?」
親しく声をかけてきたのは、立華 かなで、高校に入ったと同時に仲良くなった私の1番の親友よ。

「ん〜そうね。無難に保育士かしら」
「うんうん。ゆりちゃんにピッタリだね」

「ありがと。かなではどうするの?」
「私は医師かな」

「ウソ〜意外ね。どうして?」
「なんていうか、私にもよくわかんないの」

「ハァ〜〜。あんた、ほんと考えがないわね。そんなんじゃ何もできないわよ」

テヘヘと笑うかなでを見てるとほんと心配だわ。
かなでは医師か〜。理由はともあれ、いい選択かもね。かなで…



そして、夏休みになり職業体験が始まった。人数としては、私を入れて4人の少数だったから幼稚園側の提案で1人1つの教室を受け持って、1日ごとに変えるローテーション方式になったけど、あの時の私たちにはこの提案は酷なものだったとは思わなかったわ。

簡単な仕事かと思ったけど、保育士の仕事は私の想像の斜め上をいっていたわ。

園児の遊び相手、着替え・食事の手伝い、お昼寝の面倒。まだまだ続くわ。園児が帰ったら、教室を消毒したりするの。数人だったらまだいいけど、1人では相当な重労働だったわ。でも、やりがいはあった。今ならいい経験になったと思うわ。

職業体験の最終日、これが私が職業体験が終わってもまだ、幼稚園の手伝いをすることになったキッカケの1部かしら。

きつかった仕事も、いざ終わるとなると寂しさが込み上げてくるものね。
園児たちとのお別れ会が終わり、帰路につこうと思った矢先、1人の女の子が走ってやってきた。彼女は天草 五十鈴(あまくさ いすず)ちゃん。職業体験の中で1番関係が深くなった子と言えるわね。

五十鈴ちゃんは幼稚園の先生から聞いた話によると、父親の転勤で引っ越してきたばかりで、友達ができなく幼稚園を休みがちになっていたらしかった。
そこで、私はどうにかしたいと思って、色々と作戦を決行した。お遊びの中心にしたり、髪の結び方も変えたりした。
結果、五十鈴ちゃんは今友達がたくさんできて、毎日が楽しくなったらしいと後からやってきた母親は喜んで私に話してくれた。

五十鈴ちゃんと目の高さが合うように縮む。少し恥ずかしいがっていた五十鈴ちゃんに「どうしたの?」と笑顔で先を促す。

「お姉ちゃん、ありがと」

勇気をふりしぼって言った言葉と満面の笑顔は、私に覚えのない失ったものを感じさせたけど、すぐに忘れてしまったわ。



最初は大した理由もなく選択した保育士は私にとって色々なものをくれた。だから、その恩返しと個人的な理由で今も手伝い
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