第二十二話 テロですか赤白対決ですか
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おおう、嬉しい誤算です。
「そうか。・・・アルビオン、今の兵藤一誠ならば白龍皇の『覇龍』を見せるだけの価値があるんじゃないだろうか?」
『ヴァーリ、この場でそれはいい選択ではない。無闇に『覇龍』となればドライグの呪縛が解けるかもしれないのだ』
「願ったり叶ったりだ、アルビオン。『我、目覚めるは、覇の理にーー』」
『自重しろ、ヴァーリッ!我が力に翻弄されるのがお前の本懐か!?』
そんなとき、夜空に浮かぶ満月をバックに人影が一つ降りてきた。
「ヴァーリ、迎えに来たぜぃ」
「美猴か。何をしに来た?」
「それは酷いんだぜぃ?相方がピンチだっつーから遠路はるばるこの島国まで来たっていうのによぅ?他の奴らが本部で騒いでるぜぃ?北の田舎神族と一戦交えるから任務に失敗したのなら、さっさと逃げ帰ってこいってよ?カテレアはミカエル、アザゼル、ルシファーの暗殺に失敗したんだろう?なら監察役のお前の役目も終わりだ。俺っちと一緒に帰ろうや」
「・・・そうか、もう時間か」
「なんだ、お前は?」
一誠が突然現れた霊長類を指差し、聞く。
「ーー闘戦勝仏の末裔だ。ソッコーで把握できる名前で言ってやる。ーー奴は孫悟空。西遊記で有名なクソ猿さ」
「そ、そ、孫、孫悟空ぅぅぅぅぅぅぅっ!?」
「正確に言うなら、孫悟空の力を受け継いだ猿の妖怪だ。しかし、まさか、お前まで『禍の団』入りとは世も末だな。いや、『白い龍』に孫悟空か。お似合いでもあるのかな」
「俺っちは仏になった初代とは違うんだぜぃ。自由気ままに生きるのさ。俺っちは美猴。よろしくな、赤龍帝」
挨拶をした美猴は、棍を出現させくるくると器用に回し、地面に突き立てる。するとそこから黒い闇が広がり、ヴァーリと美猴をずぶずぶと沈ませていった。
「待て!逃がすか!」
一誠が追おうとするが、禁手が解除される。
「アザゼル!あのリング、まだないのか!?こいつを逃がすわけにはいかない!」
「あれは製作に恐ろしいぐらいの時間がかかる。量産もできん。それにあったとしても、多用すれば完全な禁手になれる可能性が薄れるんだよ。ーーあくまで応急処置だ。もっと言えば、あれだけの力を一瞬とはいえ爆発的に発散すれば体力やらも空っぽになる。今のお前じゃ、貯蔵できるものが限られていて長時間の戦闘は無理だ」
「クッ!」
「旧魔王の血族で白龍皇である俺は忙しいんだ。敵は天使、堕天使、悪魔だけじゃない。いずれ再び戦うことになるだろうけど、そのときはさらに激しくやろう。お互いにもっと強くーー」
それだけいいかけて、二人は闇のな
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