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NARUTO 桃風伝小話集
その5

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「弟子にしてください!!!!」

初めてその人に出会った瞬間、目の前にかかった靄が晴れる気持ちがして、私はその人に抱き着いてそう叫んでいました。

「な!?弟子?お前は何だ!?自来也!こいつはお前の弟子じゃないのか?」

私の思い描く桜花掌のイメージ通りの効果を、性犯罪者改め自来也さん相手に、目の前で綺麗に再現してくれたお姉さんに、私は必死で頼み込みました。
桜花掌が使える人は綱手さんくらいしか思い浮かべられません。
たぶんきっとこの人が綱手さんです。
そして綱手さんは医療忍者です。
医療忍術覚えたら、私が誰かを傷つけることを恐れなくてもいいです。

というか。
瞬殺してしまわなければ、自分で治す事もできるので、怖いものなしです。
いくらでもやり返し放題です。
どうしてこんな簡単な事に気が付かなかったんだろう。

医療忍者になる事こそ、私が目指すべきものだったんだと、この人に出会って初めて気が付きました。
医療忍術さえ覚えてしまえば、恐れるものは何もないです!!

「私、うずまきナルトです!九喇嘛の人柱力です!だからきっと私、いつか人を殺しちゃいます。だからお願いします!私に医療忍術を教えてください!そしたら、人を殺さないで生きていけるかもしれないんです!!!!」
「はあっ!?」

切実な私の気持ちが伝わるように、私は綱手さんらしき人の目をじっと見つめました。
動揺していたらしい綱手さんは、面倒そうに深い溜息を吐くと、お付きの人の名前を呼びました。

「シズネ…。何が何だか分からないが、そこで伸びてる自来也の奴を起こせ。私はこの子から少し話を聞く」
「はい。分かりました」

シズネ!
やっぱりこの人が綱手さんなんだ!!

まるで、綱手さんは私の人生を照らしてくれる光を、全身から発してくれているような、そんな気持ちがする。
私の胸はこれ以上ない程高鳴っていた。

女神様に出会うって、こんな気持ちなのかもしれない。

思わず、憧れと尊敬の眼差しで見上げる事をやめられません。

「そ、そんな目で私を見るな!とりあえず、話だけは聞いてやるから。着いて来い」

そう言って、部屋の中へと入っていく綱手さんの背中に背負われた賭の一文字がこれ以上ない程輝いて見えました。

「はい!!」

どきどきと高鳴る胸を抑えて、私は大人しく綱手さんの後を着いて行きました。
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