第三話
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が限定されるレギオスではデータ媒体の物が目立つが紙媒体も存在する。新聞部が発行する週刊ルックンスなどがそれに当たるだろう。本屋に行けば小説や様々な情報誌もあるし図書館といった施設もある。
だが必要がなくなったものは資源として回されることが推奨されている。古本、といった物を個人でなく店として置くところは珍しいだろう。
「休みの日で、ちょうどタイミングよくてお昼奢ってもらいました。喜んでついて行きましたけど今考えたら私駄目人間みたいな気が」
「じゃあ僕のバイト代が入ったら二人に何か奢るよ」
「タイミング的に嫌味が隠せてませんよ。まあ奢られてあげますけどね」
無意味に上から目線でクラリーベルが言う。
「クラスが違ってバイトもしてると会う機会減ったよね。まあ部屋はすぐ隣だから大抵朝と夜は会うけど」
「向こうは向こうで動きますからね。前に聞いたヨルテム組と一緒に動いてるらしいですが」
「そういえばこの前三人でいるとこ見たっけ」
思い出しながら言ったレイフォンにクラリーベルは怪訝な目を向ける。
「……あれ、三人でしたっけ? 私の記憶違いですかね」
適当に会話を交わしつつ時計を見ると休み時間は残り少しとなっていた。席を戻し戻ってきたルシルに写し終わったプリントを返し、レイフォンは次の授業の用意を机の上に並べる。
時間になって入って高学年の男子生徒の言うまま、指定されたページを開く。
お腹も満ち足りた暖かな午後の時間。始まるのは理解不能な言語空間。
レイフォンの睡魔との戦いが始まった。
多くの学園都市は六年制でありツェルニもそれに準じている。
武芸科など一部の特例を除き三年まで全生徒は一般教養科に籍を置き、四年から専攻の科へと進んでいく。
より深い知識を学ぶための上級一般教養科。
錬金鋼を始め様々な機械工学を扱う錬金科。
水産、畜産の生産並びに品種改良を行う養殖科。
他にも医療科、建築科など生徒個人の要望によって進める多種多様な科が存在している。
このうちハーレイが所属する錬金科は特別枠が設けられており、希望を出し特殊な試験をパスした生徒は二年時からの配属が許可されている。これは必要とする知識の多さ、経験の蓄積、一般教養の線路上にない専門性の高さが理由である。
放課後少し遅く、レイフォン達が訪れた研究棟はそんな錬金科のために設けられた施設の一つであり、棟内には多くの研究室と大型器具をおいた実験室が入っている。
向かう先はその一室であり、ハーレイが所属している研究室だ。
扉を開いてまず感じたのは機械油の匂いと僅かな異臭。いくつもある机の上は整理されていない書類の束と放置された空のカップ麺容器。機材周辺だけは物の整理がなさ
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