第三話
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姿を見せるが問答無用で衝剄が放たれる。反射的にレイフォンも衝剄を放ち相殺する。
炸裂音と衝撃が響き渡る。
「二人か。どこかで見た顔だな」
知った顔を見た青年が構えを解く。
「前に練武館で会いましたよね」
「ああ、あの時の。隊長の知り合いらしいな。もう一人は知らないが確かレイ…フォ……フォン・レインだったか。アルフだった気も」
「レイフォン・アルセイフです」
「惜しいな。人の名前を覚えるのが苦手なんだ」
レイフォンが名前を間違えられたのは二人目だ。もしかして自分の名前は覚えづらいのだろうかと思ってしまう。
「こっちはまだだったな。三年のアイクだ。二人は何やってるんだこんなところで」
今更だが自分たちの現状をレイフォンは思い出す。夜に二人、男女で人気のないところで隠れている。服は汚れておりレイフォンは所々に傷を負っている。動いたあとだから多少顔も赤らんでいる。
普通に考えてアウトにしか見えなかった。
「励むのはいいが場所は考えろよ」
「誤解です。組手をしていただけです」
「そうか、五回、組手をか……聞きたくはなかった」
「勘違いです。軽く手合わせをしていただけです。先輩と同じです」
先ほどのこともあるし今更武芸者ということを隠す必要もない。相手はニーナの隊の人間だ。それよりも変な誤解を持たれるほうが困る。
近づいてみてわかったがアイクのシャツの裾からは包帯が見える。前に聞いたまた幼馴染とでもやりあったのだろうか。
「レイフォン、態々言い直す必要ありました?」
「あ、クラリーベルはちょっと黙っててください」
口を挟んできたクラリーベルを静かにさせる。知識が有無は知らないが温室育ち故かこういった方面の言い回しには疎いのだろう。
「先輩こそ何でこんなところで?」
「前はアパートのすぐ近くでやっていたんだが、周辺住人に都市警に通報された。それ以来場所を色々と変えている」
どこに住んでいるのか聞けば住宅街だ。不審者扱いされてもしょうがないところもあるだろう。
「不審者情報として回ったときは流石に驚いた。逆立ちで歩き回ったのが不味かった」
「そりゃそうですよ。こんなことは毎日してるんですか」
「まあ、時間があればな。小さい頃からの習慣に近い。勝つためには必要だからな」
「幼馴染でしたっけ確か。その包帯もですか」
「猛獣みたいなやつだよ。そいつを殴り飛ばすのが幼少時からの目標だ」
言葉からしたら負けてばかりという事だろう。この場合ライバルという表しであっているのだろうか。
「それと、小隊戦が近いってのもある」
「今度の休みですよね。見に行く予定です」
「中に入るにはチケットがいるぞ。人気にもよるが、当日だと確実性が薄れるから
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