第三話 俺と紅髪部長
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前門の虎、後門の狼なんてことわざがある。正直あの言葉は俺――高上穂斑は無縁の言葉だと思っていた。あれってつまり失敗から逃れようとしても意味がねぇってことだろ?俺はむしろ失敗を恐れたりしないタイプで、失敗も基本的にしない。特に女絡みで失敗したことはない、だって自分から絶対に近づかねぇからな。その俺が、今まさに前門のなんたらになってる。俺は一体なにを間違ったのだろうか?右腕を紅髪が目を引く先輩――リアス・グレモリー先輩が取り、左腕を黒髪ポニーテールのおっとりした先輩――姫島朱乃先輩が取り、真ん中の俺は冷や汗をだらだらと流してこの状況が早く終わることを願いながらソファから一歩も動けずにいた。なぜこうなったのか、ことの発端は数十分前にさかのぼる訳だが――。
―☆★☆★☆―
「――あ、悪魔?マジで言ってんすか?」
「本当よ。そんなことで嘘をついてどうするの?」
「いや、まぁ……」
そりゃそうだけどよ、悪魔って……。俺もそうらしいけど実感がな……。そもそも具体的にどんなことをするのが悪魔か分からねぇし教えられてもいねぇ。まぁそんなことを言ったところで、俺が悪魔になったのは変わらないんだろうが。
「部長は正真正銘の悪魔、グレモリ―家の次期当主ですわ。異名は『紅髪の滅殺姫』」
「紅髪……それって……」
確か、堕天使のおっさんが言ってた姫島先輩の主の異名だったか?ってことは、この人が……。
「改めて名乗るわ、私はリアス・グレモリー、あなたの隣にいる姫島朱乃の主よ」
「やっぱ、そういうことなんすよね……」
「私も部長に拾われた身、ということですわ。穂斑くんも、ある意味ではそうなのですよ?」
「えっ?」
「びっくりしたわよ。路上に血まみれで倒れているあなたを、朱乃が見つけたの。私たちが通らなかったら、死んでいてもおかしくなかったわ。でも気がかりなのは、なぜあんな道端に倒れていたのか、そして、なぜ『悪魔の駒』を宿していたのか」
「『悪魔の駒』?」
聞きなれない単語に、俺は首をかしげた。そんなもんが俺の中にあるのか?
「私たち上級悪魔――爵位を持った悪魔に与えられる、眷属を作るための駒のことよ。人間界で言うチェスの駒の形をしているの。『兵士』、『騎士』、『僧侶』、『戦車』、『女王』と、『王』である主の最大16名で眷属は構成されるわ。私たちオカルト研究部は、『女王』の朱乃、ここにはいないけど『騎士』と『戦車』、『僧侶』が一人ずつ、『兵士』の新人が一人いるのだけど、一人で『兵士』の駒計八つを使い切ってしまって『兵士』はその子だけ」
「駒は一人の眷属に対して最低一つ、高い潜在能力(
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