第百五十五話 加賀入りその十二
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「わし等の様な他の宗派もいます」
「とはいっても普段は仲がいいですが」
「最近どうもおかしな門徒がいまして」
「それでなのです」
「わし等の案内をしてくれるのか」
「そうです、特にやけに黒い服の者達が」
「あの者達が」
彼等のあの服の者達の名前を出した、長政もよく聞いているその謎の者達だ。
「御主達から見てもか」
「得体が知れませぬ」
「一体何処の者達か」
「どの村にもおりませぬ」
「あの者達がやけに不気味で」
「わし等にも何をしてくるか」
わからない、だからだというのだ。
「それで織田様に従うことにしました」
「織田様は百姓には優しいと聞いていますし」
「民を守って下さるとか」
「ですから」
「ふむ、それならな」
それならばだとだ、長政も彼等に応える。
「宜しく頼むぞ」
「はい、では案内はお任せ下さい」
「わし等が案内させてもらいます」
「それで織田様のお役に立てれば」
信長の評判は加賀にも及んでいた、それでだった。
彼等は信長の下に入ることを選んだのだ、加賀といえどそこにいるのは一向宗の門徒達だけではないのが実情だった。
そしてその彼等の案内を受けてだ、織田軍は。
その北西の軍勢の前に来た、見れば彼等は油断しきっていた。信長はその彼等を見てそのうえで全軍に言った。
「よし、ではな」
「はい、今よりですな」
「あの者達を」
「皆目印は着けたな」
信長は将兵達にこのことも確認した。
「白い布はな」
「はい、陣笠や兜に」
「全て着けています」
「もう既に」
「ですから」
「うむ、ではな」
このことを確認してだった、そうしてだった。
信長は全軍を進ませた、夜の中でしかも織田軍が今来るとは思ってもいないことが伺える彼等にすぐに迫り。
そのうえで一気に攻める、まずは鉄砲を放ち。
その一撃から突進し槍を突き出す、槍で敵陣を崩し。
切り込む、信長はここでも刀を抜き全軍に言う。
「よいな、このままじゃ!」
「一気にですな!」
「敵を!」
「倒せ!しかし同士討ちには気をつけよ!」
このことを言うことも忘れない。
「わかったな!」
「はい、それでは!」
「今は!」
「斬れ!白いものがない者はすぐに斬れ!」
目印の白い布を着けていない者はというのだ。
「よいな!」
「畏まりました!」
兵達も応える、そして。
突然の夜襲を受けて崩れた門徒達を攻める、今度は前から津波の様に大きくかつ整然として攻める。そうしてだった。
織田家の軍勢は一気に攻める、そうして。
一旦は混乱したがすぐに個々では立ち直り攻めてくる門徒達を攻め返す、信長はその中で自ら刀を振るいながら傍らに来ていた柴田に問うた。
「権六、今の状況はどうなっておる」
「
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