第三十九話
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でぽりぽりとかき・・・
「って、腕がある」
そう、腕が治っていたのだ。
「あ、それならね。治癒の術をかけたらなくなってた方の腕と両足は断面から治っていって、粉々に折れてたほうの腕は、ボコボコ音を立てながら治っていったよ?」
「うっわー・・・予想はしてたとはいえ、さすがに驚いた」
間違いなく治るとは思っていたけど、ここまで完璧に、簡単に治るとは思っても見なかった。
「うん、やっぱり武双お兄様はすごいね。あの傷が簡単に治るんだもん」
「確かに、見ていて驚きはしましたね・・・」
「ああ、二人もいたのか。・・・っと」
俺は両腕を地面について起き上がり、両足でしっかりと立つ。そうして、なくなったものが戻っているのを確認し、少女に肩を貸されているマリーの足に視線を向ける。
「マリー、その足は・・・」
「私の見立てだと、砕けてる、の方が近い状態。かなりの重傷だよ、ソウ兄」
「やっぱりか・・・ゴメン、マリー。俺が来るのが遅くなったせいで・・・」
「気にしなくていいよ、武双お兄様」
俺が頭を下げようとするが、マリーの声によって遮られる。
「むしろ、神様と戦ってこれで済んだのは、運がいい。それもこれも、武双お兄様のおかげなんだから。これで神様から助けてもらうのは二回目でしょ?」
「そうなんだけどな・・・今回はあの時と違って、しっかりとは守れなかった」
そう言いながら俺はマリーを抱え上げ、マリーを支えてくれていた少女にも知覚に来るよう、身振りで示す。
「立夏、この辺りで一番でかい魔術組織のところまで飛んで。俺の・・・カンピオーネの名前をフルに使って、今すぐマリーに治療を施させる」
「了解!いっくよー!!」
そして、立夏の飛翔の術で目的地まで飛んだ。
◇◆◇◆◇
「ねえ、ソウ兄。一ついいかな?」
マリーの治療が終わるのを待っていると、そこで立夏が話しかけてきた。
少女がよっぽど疲れたのか眠っているため、声を潜めた状態で、だ。
「どうしたんだ、立夏?」
「その・・・その子って」
そういいながら、俺の肩を枕にして眠っている少女を指差す。
「コイツが、どうかしたのか?」
「えっと・・・人、なんだよね?まつろわぬ神様、とかじゃなくて?」
「それは、間違いなくない。コイツは神様じゃないよ」
なんせ、俺の体が高ぶらない。
だとすれば、コイツがまつろわぬ神である可能性はないといっても過言ではない。
「だったら、勘違いなのかな・・・でも、あそこまではっきりと見えて・・・・」
「おーい、立夏。どうかしたのか?」
「あ、その・・・驚かないで聞いてね」
立夏はそう前置きして、驚きの事実を伝えてきた。
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