暁 〜小説投稿サイト〜
dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第12話「大質問会」
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。だから…………悪魔として生きてるってのは、"空っぽ"かな。何も無い生涯だ」

「そうですか………」

「だから、人間として生きるお前はそのままの生き方を楽しめ。悪魔として生きるのは苦痛なだけだ」


「………………………………次は、俺だ」

キリシマが挙手もせずべリアルの前に立った。

「…………………上位の悪魔はあと何体存在する?」

「正確な数は分からないが、10体もいない。俺が知ってんのは、"風のフォカロル"と"海王リヴァイアサン"
と"殺戮のグラーシャ・ラボラス"。あとは"セーレ"くらいだ」

「……………セーレとは?」

「"移動"を司る最速の悪魔だ。セーレの能力であの隔離場から遠い場所に逃げたんだ。キリシマ、だっけ?
お前も人間にしてはなかなかの速さだったけど、セーレには勝てない」

「なぁ、話の途中だけどよ、ちょっといいか?」

パトリックがキリシマとべリアルの間に割って入った。

「フォカロルは前戦ったから知ってるけどよ、"リヴァイアサン"とか"グラなんとか"ってのは何なんだ?」

「"海王リヴァイアサン"は、海を支配していたデカブツだ。"殺戮のグラーシャ・ラボラス"は、悪魔狩り
はおろか、人間や同族すら殺しまくった大馬鹿だ。まぁ両方とも俺の敵じゃないが」

「へ、へぇ〜」


「最後は私だね」

アイリスが笑顔を浮かべてべリアルの前に立った。
べリアルはアイリスが何を聞いてくるのか予想がつかず、微妙な表情を浮かべた。

「じゃあ、べリアルさん。私が聞きたいこと聞くね?」

「あぁ」



「べリアルさん、行きたい所とか、食べたいものとかある?」



「「…………は?」」


全員が呆然となった。
後ろで聞いていたアルバートは「アイリスらしいなぁ」と呟きながら笑っていた。

「えっと……アイリス、だったよな? なんでそんなこと聞くんだ?」

「だってせっかく私達の所に来てくれたのに、行きたい所も食べたいものも無いなんて寂しいもん。
だから、どこか美味しいもの食べに一緒に出かけたりしたいなぁ、と思って」

べリアルは言葉を失った。
人間に戦いを仕掛けられるのは慣れている。
行きたい所や食べたいものを聞かれるのは初めてだった。

「………俺は人間がどんな食ってるのか知らないから、食べたいものは答えようがないけど………」



「おすすめがあるなら、連れてってくれ」

それを聞いて、アイリスの笑顔が一気に明るくなった。

「うん! 今度皆でご飯食べに行こ♪」

アイリスの言葉に、キリシマ以外の全員が堪えられず笑いだした。




アルバートが始めた大質問会は、アイリスの質問で和やかに終わった
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