咎の炎と罪なる星空
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
た。
その腕を伝って、炎と魔力が2人の全身を包む。
「がぶがぶがぶ・・・」
「・・・我は星竜の一族の巫女・・・時は来た・・・我に竜殺しの力を・・・」
ナツは咎の炎を喰っていく。
ティアは何かを呟きながら、目を閉じて魔力を体内に流し込んでいく。
「フン」
ゼロが鼻で笑う。
「頼んだ・・・ぞ」
その言葉を呟いたと同時に、ジェラールの手が力なく落ちる。
そして、ナツの喉がゴクリッと動いた。
「ごちそー様」
ナツが口元を拭う。
ティアがゆっくりと・・・瞳を開く。
「確かに受け取ったぞ、ジェラール」
「後は任せておきなさい」
咎の炎を喰い終え、罪なる星空を流し込み終えたナツとティアは真っ直ぐにゼロを睨みつける。
ゼロは笑みを浮かべた。
「咎の炎と罪なる星空か。それを喰っちまったら貴様等も同罪か」
その言葉に、ティアは溜息をついた。
呆れたような目を向け、鋭く睨む。
「生憎ね。罪には慣れてるのよ、私達妖精の尻尾の魔導士・・・特に私とコイツは」
仕事に行けば必ずと言っていいほど何かを破壊するナツに、起こした問題を数えるには3ケタ必要のギルド最強の女問題児であるティア。
そう言うのを『器物損害罪』とか言うのだろうが・・・だとすると、この2人は仕事に行くたびに罪を増やしているという事になる。
「本当の罪は・・・眼を逸らす事」
ナツが前かがみに構える。
バキバキと音を立て、足元の床がナツの足を形取るようにへこむ。
そして―――――――
「誰も信じられなくなる事だァ!!!!」
次の瞬間、全身に炎を纏ったナツの体当たりがゼロに直撃する。
ゼロの懐に潜り込んだナツはゼロの服を掴み、思いっきり投げ飛ばす。
「ちっ!」
すぐに体勢を立て直したゼロはナツに向かって常闇奇想曲を放つ。
その魔法はナツの目の前まで迫り――――――
「!」
バチィッと音を立て、ナツは片手で弾いた。
先ほどは防ぐのに左拳をボロボロに傷つけたというのに。
ゼロは目を見開く。
ピキッ、パキッと小さい音を立てながら、ナツの目の下に鱗のような模様が現れた。
―――――そして、全身が金色の光に包まれる。
「こ・・・この光・・・ドラゴンフォース!?」
ゼロは更に目を見開く。
が―――――敵はナツ1人ではない。
「私がいる事・・・忘れてるなんて言わせないわよ!」
「!」
ダン、と力強く地を蹴ったティアが真っ直ぐにゼロに向かって飛ぶ。
そして右足に金色の光を纏い―――――決める。
「星竜の鉤爪!」
踵落としのように鋭い蹴りがゼロに炸裂する。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ