暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
咎の炎と罪なる星空
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
まったココロは、様子が変なジェラールに声を掛けていた。

「いや・・・ウェンディ、君は確か治癒の魔法が使えたな?ゼロと戦う事になるナツとティアの魔力を回復出来るか?」

その言葉に、ウェンディは俯く。

「それが・・・」
「何バカな事言ってんの!今日だけで何回治癒魔法を使ったと思ってるのよ!これ以上は無理!元々この子は・・・」
「そうか」

治癒魔法は使用にかなりの魔力を消費する。
それを知っているシャルルが猛反対するが、ジェラールはそれを途中で遮った。

「ならば2人の回復はオレがやろう」
「え?」
「思い出したんだ。ナツという男の底知れぬ力。ティアという女の封印されし力。希望の力を」

そう言うジェラールは、優しげな笑みを浮かべていた。

「君達はオレの代わりに8番魔水晶(ラクリマ)を破壊してくれ」
「でも・・・私・・・」
「咆哮1回分くらいの魔力は回復してるけど・・・私1人じゃそんな重要な魔水晶(ラクリマ)壊せないよ」

ウェンディは破壊の魔法を使えない。
だからココロは1人で壊そうと考えたが、自分にそれほどの戦闘力はなかった。
コブラの時だってほぼナツが戦っていたし、結果的に倒したのは叫びだ。
それを聞いたジェラールはしゃがみ、2人と目線を合わせる。

「君達になら出来る。滅竜魔法は、本来ドラゴンと戦う為の魔法。圧倒的な攻撃魔法なんだ」

そう言うと、ジェラールは言葉を紡ぐ。
2人の抱える不安を取り除くように。

「空気・・・いや・・・空・・・“天”を喰え。空気中の塵・・・いや・・・“灰”を喰え。君達にもドラゴンの力が眠っている」










「ドラゴンの力・・・私達の中の・・・」
「天を喰え・・・灰を喰え・・・」

ウェンディとココロは呟く。
そして、叫んだ。

「自分のギルドを守る為なんだ!お願い!グランディーネ!力を貸してっ!」
「私達のギルドは私達が守る!グラウアッシュ!私に力を!」











「これは“咎の炎”と“罪なる星空”」

倒れるジェラールの両手に、金色の炎と金を帯びた紺色の魔力が乗っている。

「許しなんていらない。今は君達に力を与えたい。オレは君達を信じる」

向けられる炎と魔力。
ナツとティアはそれを信じられないものを見るかのように目を見開いて見つめる。
曇りのない目で真っ直ぐに2人を見つめ、ジェラールは口を開いた。




「エルザが信じる2人を・・・オレは信じる」




怒りが、消えた。
真っ直ぐ向けられる目は、発せられる言葉が真実だと告げている。
そして――――――ナツは咎の炎を、ティアは罪なる星空を、ジェラールと握手する事で受け取っ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ