咎の炎と罪なる星空
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れねえ!!!!エルザの涙を!!!!お前が泣かしたんだ!!!!!」
「アンタはどれだけの数の人間を不幸にすれば気が済むのよっ!!!!!」
怒りの声で叫び、2人はジェラールを責め立てる。
覚えていないが全て本当の事である為、ジェラールは視線を逸らし目を伏せた。
すると、ゼロが呆れたように口を開く。
「やれやれ、内輪もめなら別の所でやってくれねーかな。鬱陶しいんだよ!」
そう言うと同時に、ゼロは再び常闇奇想曲を放つ。
ジェラールを責め立てていたナツとティアは迫ってくる魔法に目を向けるが、回避行動は間に合わない。
このままでは2人が攻撃を受けてしまう。
「!」
すると、それを見たジェラールが胸倉を掴むティアの手を振り切り、2人の前に出た。
そして―――――常闇奇想曲から、ナツとティアを守った。
「ほう」
ゼロが呟く。
一瞬の出来事に2人は目を見開いて呆然とする。
「・・・ウソ」
ティアが呟いた。
ナツとティアは、前にも似たように守られた事がある。
両腕を広げて、何も考えずただ守ろうとする背中を、見た事がある。
―――――目の前に立つ男によって、殺されたシモン。
そのシモンを殺した男が今――――シモンと重なって見えた。
「お前!」
しばらく痛みに震えていたジェラールは、ドサッと座り込む。
自分達を守ると思わなかったナツが声を掛けると、ジェラールは笑みを浮かべながら口を開いた。
「オレをやるのはいつでも出来る。もう・・・こんなにボロボロなんだ」
弱々しく紡がれる言葉に、2人は目を見開く。
ジェラールはゆっくりと、自分の両手を掲げた。
「今は・・・奴を倒す力を・・・」
ボワッと、2つの光が手に現れる。
右手にあるのは炎、左手にあるのは魔力。
「金色の・・・炎・・・」
ナツの目に映るその炎は美しい金色に輝いて。
「竜殺しの、鍵・・・」
ティアの目に映る魔力は金を帯び、紺色に煌めいていた。
ジェラールは8番魔水晶にいない。
本来行くはずだった魔水晶の前には、ウェンディとシャルル、ココロがいた。
「本当に出来るの?ウェンディ、ココロ」
「これは私がやらなきゃいけない事なんだ」
「大丈夫・・・絶対に出来るはず!」
ウェンディとココロは顔を見合わせ、頷く。
2人はここに来る前・・・ジェラールと交わした会話を思い出していた。
「ジェラール、具合悪いの?」
「頭痛いの?大丈夫?」
破壊の魔法が使えないウェンディとコブラ戦で魔力、毒で体力を限界まで消耗してし
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