その4
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を見つめてくるナルトに、サスケはかっと頬に血が上るのを感じた。
心臓が激しく高鳴るのを感じる。
そんな自分にサスケは動揺した。
目の前の相手は自分の良く知るナルトだというのに。
「サスケ?」
心配そうな不安げな眼差しに訳もなく心がかき乱される。
「何でもない、来るな!」
「どうしたの? 封印の書の術だよ?」
ナルトの言葉に、サスケも心が惹かれる。
だが、とてつもない反発感を感じてサスケは怒鳴りつけていた。
「誰がお前と同じ術で強くなるかよ! オレを誰だと思ってる! オレはうちはだ。オレはオレのやり方で強くなる! オレに構うな!!」
咄嗟に出てきた言葉に、サスケは一瞬しまったと思った。
よくよく考えなくても封印の書だ。
強さを求めるサスケの助けになるものがどれだけあるのか分からない。
それをみすみす棒に振ってしまった。
くだらない事に惑わされて。
後悔がサスケの胸に浮かび上がって来た時、ナルトが目を輝かせた。
「流石サスケだってばね! 決めた! だったら僕もこれ以上封印の書は見ない! 僕も僕のやり方で強くなる!」
きらきらと瞳を輝かせてナルトはそう宣言した。
「は?」
「僕、正直、サスケを見直した。そうだよね、サスケはうちはの瞳術使いなんだもんね。流石だ! 恰好いい! でも負けないからな! じゃあ、あとでね」
びし、と指を突きつけてサスケにそう言ったナルトは、本当に分身だったらしく影も形も残さず消えた。
思わずサスケはその場にしゃがみ込んで膝をついた。
「なんなんだ、あいつは…」
年々子供に戻っていっているような行動が増えてきた相手に、ほんの少し脱力感を覚えていた。
しかもはしゃぎ過ぎていて、途中から口調が変わっている事に全く気付いていなかった。
自分に気を許しているせいだというのは良く分かる。
そのことに少しくすぐったい物を感じないわけではないのだが。
「あいつ、真面目に隠す気あるのか?」
何故隠しているのかは分からないが、九尾についてのあれこれだろうとサスケはあたりをつけている。
それに、ナルトと出会ったころ、母親に言われていた事があったのだ。
言われた当時は、何故サスケがそんな事を言われねばならなかったのか、全く意味が分からず、ナルトに対して反感しか覚えなかったのだが。
年を経るごとに、かつて母親がサスケに言いつけた護ってあげなさいとの言葉が大きくなってきていたサスケだった。
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