その4
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に来たってわけか?このウスラトンカチ」
「違うってばね!それだけじゃないってばね!」
「じゃあ何だってんだ?くだらない事なら断るぞ。早く言え」
精一杯突き放した態度を取ってやると、不満そうにナルトは顔を歪める。
穏やかな笑顔のポーカーフェイスを気取っているが、ナルトは実は表情豊かだ。
ころころと変わる表情も、今の所ごく僅かな人間の前でしかあらわされていない。
そんな姿に柄にもなく微笑ましい思いを感じる事もある。
「サスケはいつもそればっかりだよね! まあ、いいけどさ。絶対サスケも興味あるって!」
気を取り直したようにうきうきと話しかけてくるナルトに、サスケはほんの少し興味を引かれた。
「だからなんだよ」
「封印の書だってばね!」
「はあ?」
ナルトの口から飛び出てきた単語に、サスケは首を捻った。
封印の書は、木の葉に伝わる禁術の類を全て集めて封印されている巻物だ。
火影と里の許しがなければ目にする事も出来ない。
それが一体どうしたというのだろうか。
「あいつの狙いはそれだったってばね! そしたらおじいちゃんが、今のうちに私たちが見てもいいって言ってくれたの! 私も一つ術を覚えたの! 私、分身だってばね!」
そう言ってにっこりと笑うナルトに、サスケは本気で驚いた。
「何だと!?」
封印の書に書かれた術を使った事もさることながら、中を見る事を許されたというのも信じがたい。
だが、分身だと名乗ったナルトは、サスケの驚愕を余所に話を続けていく。
「サスケも早く見ようよ! 私呼びに来たの! こっちだよ!」
分身だと言ったくせに、白くて小さい手でサスケの腕を取り、サスケを引っ張る。
興奮を隠しきれない様子のナルトに、サスケは納得した。
確かにサスケも、封印の書とそこに書かれた術の数々には興味がある。
だが。
「あ、おい! 待てよ! あいつの事は良いのかよ!?」
「大丈夫。ちゃんともう一人の分身で監視をつけてるもん。でも、封印の書を見れるのはあいつを捕まえるまでなの。あいつが捕まっちゃったら、封印の書は見れなくなっちゃうんだ。だから急いで!」
嬉々として自分の手を引くナルトの姿と、ナルトの誘いに心が揺れない訳ではない。
だが、すでにナルトが封印の書の術を会得したという所が気に食わなかった。
そして、それをサスケと共有しようとしている所もまた気に入らなかった。
ナルトには施しを与えているつもりもなく、ただ単純にサスケと興味のある事を共有したいという気持ちだけしかないのだろうが、今のサスケにはナルトの行動の何もかもがとてつもなく癪に障った。
「うるさい! 離せ!」
思わずナルトの腕を振り払って睨みつける。
青い瞳をきょとんと丸くしてサスケ
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