その4
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いる。
それは認めざるを得ない。
あの緻密なチャクラコントロール技術は正直見習うべきところがある。
弛まぬ努力を惜しまず、高みを目指す姿勢は好ましい。
体術においてもサスケに何ら引けを取らない。
ただそれが少し悔しくもある。
なんだかんだとうっとうしく纏わりついてくることもなく、ごく自然にサスケの隣に居り、サスケがまあまあ納得できる話を振ってくる。
自分の母が随分と可愛がっていたのも、なるほどと頷けるようになってきた。
とはいえ、いつの間にか二人でつるむのが当然のようになってしまっている現状は、サスケとしては不本意な物だ。
サスケは誰とも馴れ合うつもりはない。
これからも、今までも、ナルトとも馴れ合ってきたつもりはないのだ。
だが、それが実際ナルトを前にすると少し狂う。
それがとても居心地が悪い。
そんな事を考えていた時だった。
「サ・ス・ケ!」
突然至近距離で当のナルトに耳元で囁かれ、サスケは思わず大声をあげて飛び退ってしまうところだった。
「あはははは! 大成功!!」
にこにこと嬉しそうに笑うナルトに、サスケは一瞬でかっとなった。
「お前っ! 一体何のつもりだ!? お前が持ちかけてきた話だろう! なんでこんな所にきてんだ!!」
驚いて高鳴る心臓がまだ収まらず、激しく鼓動しているのを感じながら、サスケはミズキに気付かれない声量でナルトに詰め寄った。
「良い話があるってばね! 聞いて聞いて!」
そんなサスケの怒りには全く反応せず、嬉々として自分の話をし始めたナルトに、サスケは若干苛立ちを感じた。
だが、ほんの少し、明るく楽しげな笑顔を浮かべるナルトに目が奪われないではない。
常に穏やかな笑顔を浮かべているナルトだが、心の底から嬉しそうな笑顔や楽しそうな顔というのは実はとても貴重だ。
この三年間、ずっと一緒に行動する事になっているサスケでも、まだ数えるほどしかみていない。
それが今サスケの前で披露されていた。
今の所、サスケ一人にしか向けられたことのない笑顔に、サスケの心の優越感が擽られる。
ほんの少しだけ、怒りが和らぐ。
「何だよ。つまらない話なら怒るぜ」
「あのねあのね、僕、術が使えるようになったってばね!」
どうやら取引とやらはうまくいったらしい。
あまりにもうきうきとしている子供っぽい姿に、思わずサスケは笑みが浮かんできた。
興奮したときに出てくる変な語尾のくせが丸出しだ。
なるほど。
ナルトの浮かれようはそのせいか。
術が上手く発動しない事に、悔し涙を浮かべて唇を噛み締めていたナルトの顔を思い出す。
自然とサスケの顔に穏やかな笑みが浮かんでいた。
「そうかよ。そしてそれをオレに知らせるためだけにわざわざここ
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