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象徴ストーリー
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確かに上に運んでいる。僕は静かに溜息した。大丈夫、奈落の底になんて落ちやしない。
これは僕らを殺すために作った兵器なんかじゃない、と僕は心で唱えた。
「これは人殺しの兵器じゃない」
そして扉が開かないのを薄目で確認して、彼らの会話に耳を傾けた。実はこれが答えだと思っていたんだ。

「十二天使になんか二人加わらないか? 六地蔵にプラス八体でもいいぞ」と紳士は言った。
「何でぴったりの十四で考えないの?」と女は言った。僕はオレンジ色に光るボタンを何気に数えた。十四個。なるほど。
「ラッキーセブンの二倍は何だ?」と紳士は言った。「日本人男性の性器の長さの平均は?」と僕に聞いた。僕は黙っていた。僕は大きいから平均なんて気にした事がないのだ。「セブンスター二本あるか?」と紳士は男に聞いたが、さっきすべて火をつけてしまったと答えた。紳士は暗闇の中を手探りで吸殻を探しているようだった。
男はオレンジ色に光るボタンを「ツーツートトツートトトツートツーツー・・・」と言う風に押し続けている。一つが終わればまた次に移り、同じくリズムを刻む。
「なんて打ったの? モールス?」と僕は聞いた。
「開けゴマ」と男は答えた。彼の顔は少し笑っていた。僕も笑った。
 吸殻を集めた紳士が言う。「セブンスターはニコチンは何ミリだ?」
「これはカスタムライトだから0.8だよ」と男が言った。男は先ほどまでとは違うリズムでボタンを叩いていた。「ツーツーツートンツーツートン・・・・」
「なんて打ってるの?」と僕は小さな声で訪ねた。
「OPEN」と男が答えた。英語に変わったんだ。この男がなんだかかわいらしい。
「多分そういうこと関係ないんだと思うのよ」と女が言った。「そういう解釈ってなんだか運命的なものを考えていないって言うか、もっと人知を超えた神様の思し召しみたいなものの方が近いんじゃないの? 何でこの場合にタバコのニコチンが関係あるの? 第一、タバコのニコチンの量なんてフィルターに穴が開いているかどうかで決まってるんでしょう?」
「フィルターに穴が開いているのか」と紳士が言った。「どこに」
「フィルターを巻いている紙に小さな穴が開いてるのよ。そこから煙が逃げてニコチンの量が少なくなるの。もともと同じもの吸っているのよ。発見したとき少しがっかりだったけど」
「だからどうすればいい」と紳士は言った。
「どうしようもないわよ。どうしようもないけど、ニコチン何ミリとか、セブンスター二本で十四個の星とかなんでそんな中学生並みの発想なの? あなたなんでその歳まで生きてそんな感じなの? 四十を越えた男のにおいするのに。暗いからわからないけど。オナニーし過ぎたおじさんの匂いがするわよ」と女はまくし立てた。
「それは否定しない」と紳士は言った。「それで君は一日に何回やった事がある?
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