第十二話 目覚めの一端
[8/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
その隣にはもう一人いた。その人はツンツンした銀色の髪、きりっとした精悍な顔つき、でも温和な目をしていて、白く輝くチャクラ刀を持っている。
「木の葉の黄色い閃光・・・」
「木の葉の白い牙・・・?」
ハナとカタナが同時に呟いた。
そうだ、この二人は、“木の葉の黄色い閃光”と呼ばれる波風ミナトさんと“木の葉の白い牙”と呼ばれるはたけサクモさん だ。
二人とも他里まで名前を轟かせている木の葉の“英雄”だ。
とても強く、他里の忍は名前を聞いただけで逃げてしまうほどだ。
なぜ、この二人がここに?
今回の戦闘には参加していなかったはずなのに。
そこにもう一人、飛び込んできた。
「ちょっと!二人とも速いってばね!」
てばね?
何だか変な口調のくの一が僕たちの間に飛び込んで来た。
真っ赤な長い髪をポニーテールのように後ろでくくり、美人と言われる感じの顔立ちで、青い澄んだ色の目が特徴的だった。
「クシナが遅いんだよ。」
ミナトさんが微笑みながら軽い抗議をしていた。
「?!そう言うこと言うってばね、ミナトは・・!」
クシナと呼ばれた女性が反論する。とても、仲が良さそうだ、二人とも信頼し合っているのが分かる。
そんな様子を見て、僕たちはやっと安心ができた。助かったんだ、僕たちは。よかった・・本当に。
安堵の気持ちがふわっと心に広がっていく。先程までの緊張を少しずつ溶かしてくれるように。
ハナも、カタナも、安心したような顔をしていた。
きっと僕と同じ気持ちなのだろう。
「敵の二人は君たちが倒したのかい?」
ミナトさんがこちらに視線を戻してから問いかけた。
「あ、それはイナリが倒してくれたんです!」
ハナが僕の代わりに答えた。
「イナリ君?・・もしかして、ふしみイナリ君かい?」
ミナトさんが僕を訝しげに見つめている。何故だか、フルネームで名前を呼ばれる。
「はい、そうです。ふしみ、イナリです。」
何を聞きたいのか分からなかったが、素直に質問されたことに答えた。
「君が・・・あの時の、ふしみ一族の・・・」
聞き取れないくらいの小声だ。ミナトさんは、じっと僕を見つめている。
「イナリ君、敵をどうやって倒したんだい?見たところ、彼らは中忍という感じたけど・・・?」
何と答えて良いのか分からず、僕が答えないでいると、代わりにハナが答えようとした。
「何だか・・・青い炎で・・「青い炎!?」」
ミナトさんがびっくりしたように話を割いて声をあげた。
顎に手を当てて考え込み始めた。
どうしたのだろう?
もしかしたら、ミナトさんは何か知っているのだろうか?
先程までの和やかな雰囲気が
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ