02:第四真祖の優雅じゃない日々
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たりするが、全員が務めて無視する。
五分ほどもすれば、浅葱は運ばれてきた料理を半分近く食べ終わってしまっていた。古城も何とかエネルギーを取り戻し始め、自分で飲み物を飲めるようになった。
今日は四人の通う彩海学園の午前放課の日であった。しかしなぜか妙に元気な太陽に充てられて、吸血鬼として微妙に太陽光が苦手な古城がダウン。四人でファミレスに逃げ込んだわけである。ちなみにこの中で古城が吸血鬼であることを知らないのは浅葱だけである。基樹はほかの三人には隠しているが、古城の正体を知っている数少ない人間である。
「にしても、何でまた急に異常気象なんて……」
その時。ぴりりり、ぴりりり、と、古城の携帯電話が着信音を発した。古城に電話が来ることは少ない。妹の凪沙には「遅くなる」と言ってあるので、余計に電話をかけてくる人間はいなくなる。一体誰が……と携帯を開く。そして画面に表示された相手の名前をみて、さらに驚愕する古城。相手の名前は『暁三森』。医療機関で働く、古城の母親だった。一体なぜ……と思いつつ【通話】。
『ふんふ?あ、古城君?』
「あ、古城君?じゃねぇよ!何で急に電話なんかかけてくるんだ」
しかし電話の向こうの母親は、古城の苛立ち交じりの声にも一切動揺せず、いつものペースを続ける。
『いや〜、あのね。魔城君が帰ってくるからって言うから、古城君にも伝えておこうかと思って』
そして彼女の出した名前に驚愕。
「魔城兄が!どうして急に……って言うか、あの人今まで何やってたんだよ」
『なんかアルディギアのあたりで王宮警護やってたらしいよ。明日の昼あたりに着くらしいから準備しておいてね〜。じゃ』
そこでぶつ、という音を立て、通話は切れてしまった。
「あ!?おい!!」
しかしどれだけ古城が叫んでも、三森は通話に答えなかった。つー、つー、という音が聞こえるだけだ。
「くそっ、何なんだよ……」
「……何だったの?」
浅葱が不思議そうに問うてくる。
「うちの母親だよ。魔城兄が帰ってくるから準備しとけって」
「魔城って……もしかして、暁魔城!?」
「ああ……しってるのか?」
「知ってるわよ」
浅葱の眼がきらきらと光る。
「すっごい綺麗な絵をかく人でしょ!あたしファンなのよねー」
「へぇ…………余計に何やってる人なのか分かんなくなってきたな……」
「そう言えば『暁』って名字どっかで聞いた覚えがあると思ったら、あんたと同じ苗字なのね。もしかして血縁関係あったりするの?」
浅葱の問いに、古城はうーん、と唸る。
「実際の血縁はないんだが……戸籍上は俺の兄貴ってことになってる」
「え……暁先
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