記憶の扉
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拳を常闇奇想曲に向かって叩き込む。
が、常闇奇想曲の勢いは止まる事を知らず、ナツは凄い勢いで押されていく。
でもナツは拳を引っ込めない。
「ぎいい・・・おおおおああああっ!」
拳に力を込める。
吹き飛ばされまいと足腰にも力を入れる。
そして――――――常闇奇想曲は消滅した。
ナツの左拳を、更に傷だらけにして。
「貫通性の魔法を止めるとは、面白い・・・」
そんなナツに対し、笑みを浮かべたまま呟くゼロ。
その時だった。
「!」
「!」
ナツとゼロ・・・2人が2つの気配を感じ取った。
その瞬間―――――
「ぐあっ!」
「がっ!」
2つの魔法が、ナツとゼロ・・・それぞれに直撃した。
ナツに直撃したのは、炎。
この場所に来る為の多くの通路の1つに、その魔法を放った男はいた。
ゼロに直撃したのは、水。
この場所に来る為の多くの通路の1つに、その魔法を放った女はいた。
「誰だ!?」
突然の攻撃に初めて傷を負ったゼロは、まずはナツに攻撃した魔法の方向へと目を向ける。
そこに立つ男を見て、ナツは炎を纏いながら目を見開いた。
左手を前に突き出す男を、ナツは知っている。
「ジェラー・・・ル・・・」
8番魔水晶に行ったはずの男。
不気味な笑みを浮かべたジェラールが、そこにはいた。
「貴様・・・記憶が戻ったのか・・・で、そっちは誰だ?」
ゼロは笑みを浮かべ、自分に放たれた魔法の方向に目を向ける。
ナツとジェラールもつられるように目を向け、ナツは目を見開いた。
「ふぅん・・・竜の勘ってのもよく当たるのね」
淡々と、冷静で冷淡で冷酷な声色で呟く少女。
青い髪を靡かせ青い瞳を冷たく鋭く煌めかせる閃光。
「ティア・・・」
7番魔水晶に行ったはずの彼女が、そこにはいた。
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