記憶の扉
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んのだァ!」
そう言う一夜の顔は、元々イケメンとはかけ離れた顔立ちだったが、更にそれをパワーアップさせていた。
汗はダラダラ、鼻水も出ているし、犬のように舌も出ている。
「息切れ・・・なんか・・・してないぞ・・・私はまだ若い!」
と言いながら「ゼェー・・・ハァー・・・ゼェー・・・ハァー・・・」と息を切らす一夜だった。
ここは1の数字を付けられた魔水晶のある場所。
傷だらけの体をフラフラと揺らしながら、ナツは到着した。
そこには――――先客の姿が。
「フン」
六魔将軍のマスターゼロだ。
「まだ生きてやがったのか」
「ハァ・・・ハァ・・・」
魔水晶を守るように仁王立ちするゼロは、薄い笑みを浮かべる。
「何しに来た?クソガキ」
ゼロが問う。
それに対し、ナツはニッと笑みを浮かべた。
「ん?」
浮かんだ笑みにゼロはこちらも笑みを浮かべたまま問うように呟く。
ナツは普段と変わらない笑みを浮かべたまま、言い放った。
「壊れんのはオレかお前か、どっちだろうな」
「なー、エルザー」
「どうした?アルカ」
「ゼロはよ、きっと“1”にいるよな?」
「だろうな」
「!?」
「ナツさんのトコだ!」
エルザとアルカの言葉にジェラールが目を見開き、ウェンディが声を上げる。
「アイツは鼻がいい。解ってて“1”を選んだハズだ」
「あーあ、あの1番トコは面白れぇ気配があったのに、すぐに取られちまった」
アルカはつまらなさそうに赤い髪をくしゃっと掴む。
どうやら彼は『1番の所に面白い物がある』との気配を察知したらしいが、ヒビキが言い終えると同時にナツが取っていってしまった為、不機嫌なようだ。
「だったら加勢に行きましょう!皆で戦えば・・・」
「その心配はいらねぇよ」
ゼロの強さを見た訳ではないが、ナツ達が簡単にやられてしまうほどの強さだという事は解る。
ココロは加勢に行こうというが、それをアルカが首を横に振って止めた。
エルザも解っているように頷く。
「ナツの加勢なら、おそらくアイツが向かうハズだ」
「『全く・・・ボロボロのくせにラスボスと戦うなんてバカが過ぎるわ』とか言いながらな」
「!」
「まさか、ティアさん!?」
アルカが口調を真似ただけで解るというのもなかなか凄い。
が、アランが首を傾げる。
「でもティアさんって7番の担当じゃ・・・」
「ティアってのは無愛想で性格悪い曲者だってのに基本周りから愛されキャラだからな。アイツが大好きでアイツの頼みなら何だって引き受ける奴が行ってるだろうよ」
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