記憶の扉
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はウェンディに目を向ける。
ウェンディは謙遜するように首を横に振った。
〈んじゃあオレ6行くか。アラン、ついて来い〉
〈え?ぼ、僕ですか?〉
〈おう。お前だって自分のギルドが危険なのにボーっと突っ立ってたくねーだろ?〉
〈・・・はい!〉
一夜が4、エルザが5と決め、続くようにアルカがアランに目を向けながら声を上げる。
戸惑ったアランだったが、すぐに覚悟を決めたように頷いた。
〈それじゃあ私は7に行くわ。ヴィーテルシア〉
〈解っている。当然ついて行くさ〉
淡々と感情の篭っていない声でティアが呟く。
〈ではオレは・・・〉
ジェラールが口を開こうとするが―――――
「!?」
「お前は8だ」
それをエルザが顔の前に手を伸ばして制する。
そして代わりに呟いた。
「他に誰かいんのか?今の誰だ!?」
〈エルザ!今の誰よ一体!〉
途中で途切れた声にナツとティアが言うが、答えはない。
「ナツとティアはまだお前の事情を知らん。敵だと思っている。声を出すな」
ジェラールが記憶喪失だと知るのはエルザ、アルカ、ウェンディ、アラン、ココロ、シャルルだけ。
ナツ達は――――特に直接的に戦ったナツとティアは未だにジェラールを敵だと認識しており、ここで声を出せば気づくに違いない。
そうすれば魔水晶破壊どころではないし、他にも多々理由があるのでエルザは制止を掛けたのだ。
「おいっ!」
声の主が誰かを知らないナツが叫ぶ。
が、それを最後にプツリと念話が切れた。
「念話が切れた・・・」
「ヒビキも限界だったんだ・・・」
「ヒビキ達の分まで頑張らないとね・・・」
呟きながら、ナツ達は立ち上がる。
ハッピーが拳を握りしめた。
「とにかくちゃんと8人いるみたいだ。行こう!ゼロと当たったら各自撃破!皆持ち場があるから加勢は出来ないよ!」
ハッピーの言葉を聞いた後、ナツ達は向かう。
決まった番号を付けられた、破壊すべき魔水晶へと。
ここに、ナツ達とは違った意味で苦労している男がいた。
違った意味で、というのは、ナツ達がゼロに敗れ大怪我を負っているから魔水晶破壊が大変だ、という事に対して全く逆の理由という事だ。
簡潔に言うと―――――
「ぬぅー!メェンメェンメェーン!ゼェー・・・ハァー・・・ゼェー・・・ハァー・・・」
まともに歩けないのだ、一夜は。
何故なら、手首足首を縛られ木の棒に括りつけられた、一言でまとめればブタの丸焼き状態だからである。
「“4”だ!私は“4”に行く!皆期待している!絶対に裏切る訳にはいか
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