再会
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それから遠坂ははっとしたように俺を見る。いや、睨むと言ってもいい。
「……え?彼もマスター?ウソ……だ、だってマスターならもっと……ちょ、ちょっと待ってよ。それじゃあ、いま調査で体をベタベタ触ってたわたしって一体…………」
つい先ほどの行動を思い出したのか、遠坂は顔を真っ赤にしてしまった。……………顔が熱い。どうやら俺も釣られて赤面してしまった。
「くっ、なんて恥ずかしい……。うるさい、わたしだって失敗ぐらいするってーの! 痴女とか言うなっ!」
後半の台詞は、恐らく遠坂のサーヴァントが余計な茶々でも入れたのだろう。でも、サーヴァントが見えてないから、遠坂一人でしゃべっているしか見えない。
「職業病みたいなものよ。これだけキャラの作りが精密な仮想世界も無いんだから、調べなくて何がハッカーだっての」
俺の方に向き、まくし立ててこちらの説明してくる。どうやら言い訳らしい。黙っていたのが悪かったのか、責任がこちらに転化されてきた。
「大体、そっちも紛らわしいんじゃない? マスターのくせにそこらの一般生徒と同程度の影の薄さってどうなのよ。今だってぼんやりした顔して!」
「えっ、いや!その…………」
剣幕に押されしどろもどろになる俺。この部分は、俺の知っている遠坂とは変わらないだ…………。
「…………まさかまだ予選の学生気分で、記憶がちゃんと戻ってないんじゃないでしょうね?」
自分はぼんやりした顔をしていたのだろうか指摘を受ける。ここは正直にはなすべきか?
いや、第五次聖杯戦争の時のように、味方になってくれるとは限らない。しかし、遠坂に嘘をつくというのも………………。
「そんくらいにしときな。嬢ちゃん。ボウズだって困ってるだろ?」
「っ!!??」
突然、俺と遠坂いない屋上で第三者の声が耳に入った。しかも、聞き慣れたことのある声だ。声のした方に視線を向ける。
「んなっ!?」
俺は、思わず、驚きの声をあげてしまった。そこには、真紅の槍を手にした、青い鎧とタイツを纏った長身の男性が立っている。口元には不敵な笑み。手には二mの莫大な魔力を秘めた槍。
「よっ!久しぶりだな。ボウズ」
第五次聖杯戦争で【槍兵】のクラスのサーヴァントとして召喚されたケルトの大英雄、光の御子クー・フーリンの姿があった
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