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Fate/EXTRA IN 衛宮士郎
再会
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、もし記憶が元に戻るのであれば、そうして欲しい。言峰は「少しまで」というと目をつぶり、数秒後、元から喜悦を刻んでいた顔はさらに大きく変化する。

「それに関してだが確認したところ、一切の不備はなかった。だから君は元々その状態の記憶など、端からない」

「そんな…………」

一瞬、言われたことが理解できなかった。元々この状態?なら自分はそもそも参加する理由などなかったのか?なら何で、こんな場所にいるんだ?

「分かっていることはただ一つ、君が衛宮士郎という名前で君の持っている記憶が全てであることだけだ」

それだけ言って話は済んだと言わんばかりに言峰は俺を尻目に扉へ向かっていく。

「それと、言い忘れていたが本戦参加者には特典として個室がプレゼントされているはずだ。2−Bの教室に端末を当てればいい」

言峰はそれだけ言うと部屋を出て行った。広い職員室には他に人はおらず、驚くほど静かで、いまの俺にはちょうど良かった。悔しいことに言峰に気をつかってもらうことになるなんて………………。

「いつまで、落ち込んでいる。そんなことをしているなら、施設の内部でも把握でもしておけ」

「…………ああ、わかってるよ」

椅子から立ち上がり、廊下へと出る。立ち止まっている暇なんかない。俺は、この学校の情報収集を再開していく。

























学校の中を一通り見て回り最後に学校の屋上を見るために階段を上っている。

「ここだな」

階段を登りきり、屋上に続くであろう扉の前に立った。扉を開け、屋上に出る。空は青空なのだが、いつも見ていた空ではない。0と1の数字の帯が見える。
屋上から見る空はやけに近く感じた。それも当然だろう、ここは地上の果てのない空と違い、ムーンセルによって創られた場所なのだから、限界は存在する。そのため、やや狭苦しく感じさせられるのは気のせいのはないと思う。立ち並ぶ0と1の羅列を眺めながら、途方に暮れていると

「ふうん……。一通り調べてみたけど、おおまかな造りは予選の時から変わってないわね……。あとは……」

(ん?)

屋上の端の方から人の気配がする。聖杯戦争の名残か気配には敏感になったからな…………。そんなことを思いながら視線を向けるとそこには壁や床をぺたぺたと触って、何やら呟いている一人の美少女がいた。
まず目についたのは、真っ赤な上着。つつましく膨らんだ胸元の上の方には、十字架をかたどった白いアクセントが入っている。腰から下は黒一色のミニスカート。これって、走ったら中がみえるんじゃないかという余計な心配をしてしまいそうなくらいに。
ミニスカートだからといって細い足を全部さらしているわけではなく、これまた
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