再会
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これより君は、正式に聖杯戦争の参加者となる。私は言峰。この聖杯戦争の監督役として機能しているNPCだ。何か御用かな?」
男……言峰は俺に気がつくと、そう挨拶をしてくる。これは俺の知る本物の言峰綺礼ではない。だが嫌悪感、というものはどうしても生じてしまうものらしい。
「ここの仕組みを説明して欲しい」
「よかろう。着いてくるがいい」
そう言うとは歩きはじめ、職員室へ向かって行った。突如動き出したことに驚き、戸惑いながら後に続いていく。
職員室の中はいくつもの机が並んでおり、その合間を縫って職員室の一角に存在する簡素なテーブルとイスに向かっていく。言峰は奥へ座り、俺は相対するように座る。そして、説明を始めた。
「ではまずここがどこで、何故いるのかを答えよう。ここは君たちが求める聖杯、ムーンセルによって構築された【SERAPH】と呼ばれる霊子虚構世界だ。そして霊子虚構世界とは仮想の電子世界で、君たち魔術師は自分たちの魂をデータに変換してやって来たのだ」
説明は思いのほか丁寧だった。未だに分からない部分もあるが、少なくともここが仮想の空間でという事が分かった。
「これからどうなるんだ?」
「君にはこの本戦で、殺し合いをしてもらう」
殺し合い。とても比喩に取れそうにないその言葉と、それが持つ意味に思わず身の毛がよだつ。
「つまり、たたかえってことか」
「その通り、今日この日より、君たち魔術師はこの先にあるアリーナという戦場で戦うことを宿命付けられた。この戦いはトーナメント形式で行われる。1回戦から7回戦まで勝ち進み、最終的に残った1人に聖杯が与えられる」
128人のマスターたちが毎週殺し合いを続け、最後に残った一人だけが聖杯に辿り着く。それがこの聖杯戦争のルールなのか。
「非常に分かりやすいだろう? どんな愚鈍な頭でも理解可能な、実にシンプルなシステムだ。
戦いは1回戦毎に7日間で行われる。各マスターたちには1日目から6日目までに、相手と戦う準備をする猶予期間モラトリアムがある。君はこれから6日間の猶予期間で、相手を殺す算段を整えればいい。そして最終日の7日目に相手マスターとの最終決戦が行われ、勝者は生き残り、敗者にはご退場いただく、という具合だ。何か聞きたい事があれば伝えよう。最低限のルールを聞く権利は、等しく与えられているものだからな」
たくさん戦う上に、その聖杯戦争の管理者がよりにもよって言峰綺礼。さらに気分は落ち込むやら綺礼への敵愾心やらで複雑な気分となるな。
だが……聞けば教えてくれる。反対に聞かれなければ教えてくれない。これは本物の言峰綺礼と同じらしい。変なところも再現しやがって……………もっと違うところを再現しろ。まあそん
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