その3
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げた螺旋丸を性犯罪者に叩きつけようとして、変態さんに手首を取り押さえられてしまいました。
流石に大人の男の人の力には私の力は敵いません。
「あ!!!!」
「まだまだじゃのォ、ガキ。ワシにそれを当てるには、まだスピードが全っ然足りとらんのォ。ふふふ。仕方ない。良ければワシが鍛えて稽古してやってもいいぞォ。お主、見どころがある。ワシが弟子を取るのは特別じゃしのォ」
かっちーーーーーん。
本っ気で頭に来ました。
性犯罪者如きの手は借りません。
というか、そういう台詞は性犯罪者が口にしていい台詞ではありません。
「黙れ!!!!この性犯罪者ーーーー!!!!」
私の渾身の叫び声と、足に集めた桜花掌もどきの蹴りが、男の人の身体の中心に突き刺さりました。
「はうーーーーーーーーん!?」
妙な声を上げて白眼をむいて泡を吹きながら仰向けに気絶してしまった性犯罪者に、私はびっくりして、どんどん不安になってきてしまいました。
「え。何。何なの。どうしよう、このままこの人死んじゃう?えええ?どうしたらいいの?ねえ、ちょっと、大丈夫?起きて?」
蹴り上げた片足に残る、生温かくてふにゃっとした人の身体の感触はとっても気持ち悪かったのですけど、そんな事より、自分がしでかしてしまった事の方がとても恐怖でした。
こんなになってしまうという事は、内臓破裂でもさせちゃったのでしょうか。
思わず、おそるおそる変態さんの身体を揺すってみます。
このままこの人死んでしまったら、どうしよう。
「ねえ、ちょっと、起きてってばね。ねえ!」
けれど、変態さんはぴくぴくと痙攣するだけで、ちっとも答えてくれません。
口から、比喩ではなく、本当に白い泡を吹いているのが更に恐怖を誘います。
人間が泡を吹くとか、そんな事聞いた事はないし、そんな風になるなんて危険度がかなり高そうです。
殺すつもりまではなかったし、そもそもまだそんなに強くなりません。
私の桜花掌もどき。
それなのに、当たり所が悪かったんでしょうか。
それともこの人は実は虚弱体質だったんでしょうか。
だけど、私の行動で今この人に異変が起きている事にかわりはないです。
どうしよう。
「ねえ。死んじゃやだってばね!私、人殺しにはなりたくないってばね!どうしたらいいってばね!?ふえ、ふえええええええん!!!!」
どうしたらいいのか分からなくなって、私はとうとう泣き出してしまいました。
私、この年で殺人者になっちゃいました。
私、まだ5歳なのに。
とうとう人を殺してしまいました。
いつか憎しみのままに人を殺してしまう可能性を考えて怯えていましたけど、こんな風に事故で殺してしまうとは思いもしませんでした。
私って、自分で思っていたよりも危険な存在っぽい
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