デジャヴから起こる始まり
[6/8]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ールがそれを防ぐ。
(後ろに控えて、こいつがいなければやられていたな)
俺は、それに援助できるように武器を探す。しかし、辺りには武器となり得るものが存在しない。それでもなんとか手助けしようとしたが、気がつくと二人であるこちらが劣勢に追い込まれていた。俺の体力は限界に達し、死ぬイメージが頭から離れない。
(俺はこんなところで死ぬわけには…………………)
脳裏に蘇るのは大火災の記憶。
助けて、助けて…とすがる人たちを置き去りにして今ここに俺は生きている。その人たちのためにもここでは死ねないんだ!
…ポタッ
雫が垂れる。すでにこの体は満身創痍だがそれでも、諦めるわけにはいかない。だが、しかし
「あ………れ?」
人形が突起の付いた右腕を前に出した瞬間、俺の身体に衝撃が奔る。そして人形は付きだした右腕を戻す。それに引っ張られるように身体も少しだけ前へ引かれる。そして人形の突起に真っ赤な色を認識した瞬間、前に倒れた。
「くっ…………そ」
人形がゆっくりと近づいてくる。止めを刺す気だ。身体に力が入らない。早く動かないと。身体からどんどん熱が引いて行く。
(ここで終わるのか?大切な人を守ることなく)
薄れゆく意識の中、ふと脳裏から何かが自分に問いを投げる、そして湧いてでたその言葉に最後の意識を繋ぎ止められる。なぜか分からないが【大切な人を守る】という部分にひどく後ろ髪をひかれる。思考の中枢に居座ったその言葉を中心に自分の意識は再び構成され再び振り返った。
――分からない。
何故、自分はあそこにいたのか。
――分からない。
大切な人とは――いったい誰なんだ。
ーー分からない。
自分が何を忘れているのかすら。
(……………結局わからないことだらけだな)
自分には分からないことばかりじゃないか。そう思った瞬間、自分の胸に熱が戻ってくる。このままでは終われない。起き上がろうと全身に喝を入れて両手足に力をいれるが、まるで床に縫い付けられたかのように動けない。
それでも、このまま終わわすれるのは、許されない。動かない全身を無理やり起こそうと残ったか細い力を振り絞る。骨が凍ってしまったかのように固まって動かない。そして骨の冷気が最後の熱を奪おうとどんどんと中心へ迫って来る。それでも、こんなところで消えられない…………消えたくない!!
「告げる!汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
頭の中に言葉が浮かび上がってくる。自分でも何を意味しているかは理解しきれていない。
「誓いを此処に!
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者」
けれど、俺の中の何
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ