デジャヴから起こる始まり
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悪い、藤ね、藤村先生…。ちょっとトイレ…」
逃げるように教室から出ていく。正直、これ以上あの場所にいるのは耐えられない。
階段へ向かおうとするが視界は悪く足もふらつき、廊下にある掲示板に張り付いてしまう。その際目に入った新聞の【最終号】という文字にとてつもない違和感を感じる。脳が鳴らす警鐘を無視して、へばりつくようにして新聞の内容を読み取った。
最終号
【怪奇 視界を覆うノイズ】
学園内に残った生徒たちにお知らせデス。
予選期間はもうすぐ終わっちゃいまーす!
はやく真実を見つけ出して、
きちんとお家に帰りましょう!!
さもないと――― 一生、何処にも帰れませ〜ん
頭痛が、吐き気が、悪寒が、軽く今までの倍になった。その新聞から遠ざかりたい一心で一階に下りる。何度か躓きそうになりながらも少しずつ降りていくと、先ほど以上の強烈な違和感に襲われた。
(一体どうしたんだ?)
今ならはっきりと言えるがここ最近、まるで同じものをずっと見ているかのような違和感を覚える。その上既視感がさっきっから頭の中をぐるぐる回っていた。全ての始まりはあの少女達の幻聴。
(士郎)
(シロウ)
その姿を今しがた思い描いたからだろうか、
(あっ……………)
目の前にその特徴的な少女達が現れたのは。…間違いない、あの女の子達だ。俺の記憶にずっと引っかかっているあの少女達…。
(そして……………俺の…………?)
今俺は何を考えた?この少女達は一体俺のなんなんだ?聞いてみるしかない。だが、その肝心の少女達といえばこちらに気づいていないのか、俺に向かって背を向け歩き出す。
「ま、待ってくれ!」
だが少女達にはその声は聞こえていないらしい。歩く速度は止まらない。その歩みに置いていかれまいと俺もあとに続く。だが一向にその距離は縮まらない。
意外にも少女達の足は速く、少しでも速度を緩めたらその場に置いていかれそうなほどである。置いていかれなかったのはひとえにこの肉体が男だった、それだけである。男としてのプライドが傷つけられた気がした。もう少しトレーニング量を増やすべきかな………………。
一階、廊下の突き当たりまで来ただろうか。この先にはただ壁が立ちふさがるだけの行き止まりにしか見えない。
(遠坂とセイバーはここに何の用があるんだろうか……………………ん?遠坂ってだれだ?セイバーって剣士?)
知るべきはずのない彼 名前を口に出しながら疑問符を浮かべる。
そんな俺の目の前で…次の瞬間、信じられないことが起こった。少女が壁に吸い込まれるようにして壁の向こうに消え去ったのだ。
(な、何が起きたのか!?)
もう一度言おう。この先は壁が立ちはだかり、通るべき道は存在しないのだ。一般人であるな
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