6:調査
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「――綺麗」
しばらくして、アスナが代表して、そう感想を恍惚と吐露した。
そう。
その矛先、その武器は……とても、美しかったのだ。
刃は全体が、ありとあらゆる宝石をも霞む程に高貴然と青白く薄光し、半透明の水蒸気の様なエフェクトが絶えず立ち込めている。優美ながらもどこか硬質的な乳白色の柄にはリズベットが称した通り、過剰な装飾が彫り込まれ、刃に向かって伸びる蔦の模様が見て取れる。だが、その装飾をもただの引き立て役に成り下がってしまうほどに、その刃の淡い輝きは人の目を惹き付けるものがあった。
「……美しいだろう?」
ハッと我に返ると、ハーラインがリズベットの手からその武器を優しく取り返していた。その声と表情には、最初に会った頃の己への陶酔と尊厳に満ち足りた風情が戻っていた。片淵眼鏡が刃の光に照らされてキラリと鋭く反射する。
「紹介しよう。この子の名は《バッシュ・ミスティア》。そして――」
伸ばした手で刃を撫でながら、まるで王が小市民を見るかのように俺達を睥睨した次の瞬間……
ハーラインは、全員の度肝を射抜く言葉を口にして締め括った。
「――その刃には《ミストユニコーンの蹄》が使われている、この世界で最も美しい……私の相棒だ」
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