十一章
新たな部下×観音寺城
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「一真様!悠季は何も言っておりませんが?」
「こいつの心の声がバッチリ聞こえるんだよ。おい女狐?また心の声でそんな事言ってみろ。次は苦しみながら一生これで叩くぞ」
脅してみたら無言で首を振った。全く、神を舐めているからこうなるのだ。で、少し気になってこの少女を観察してみたけど、マフラーで口元を隠して表情が見えない。見えるのはその双眸のみ。だけどいきなり出てきたのには驚きだった。本物の忍びを見るのは2回目だ。1回目は明命や思春。しかもその双眸は厳しさ、冷酷さ、などの言葉が浮かぶくらいだったな。俺は平気だった。そして何者も寄せ付けない拒絶の光か。
「一応聞いておくが、小波といったか。君はそれでいいのかな?」
「主の指図に沿って動く。それが三河武士です」
「なるほど。いいだろう。歓迎するよ、小波」
と言ってから頭を下げた。
「・・・・・???」
俺が頭を下げたのが予想外なのか面食らったのか、今まで冷徹だったのが少し緩んだ感じがした。この時代の人は、感謝を示す行動をそんなに驚く自体がよく分からん。
「で、預けるという事だが、どうすればいい?扱いとしては」
「一真隊の一員としてお預けするという事です。鞠様の護衛はもちろんの事、一真様の護衛や任務の手助けなど追い使って下さいませ」
「じゃあ、俺の部下になるって事か。鞠と同じ位置になるけど」
「その通り。何でしたら夜伽を『お前を犯そうか!今なら出血大サービスで黒鮫隊男性隊員全員の夜伽してもらおうか』じょ、冗談でございます」
「どうせ、天人の子種が欲しいとかじゃねえよな?葵、これはどういう事だ?」
「も、申し訳ございません。一真様」
「で、どうするのだ。一真」
「そこでかよ。それは置いておいて、小波が俺の部下になるのなら俺は上司となる。もちろん敵城潜入から、色んな事するけど俺が主というならいいだろう。小波もそれでいいな?」
「はっ!」
「ありがと。じゃあどうやって忍び込むかは実際に城を見てからにしよう。城門爆破についてはこちらで行う」
「頼む。一真」
俺や黒鮫隊の事信用してるのか、それとも神だからなのかは分からない。だけど、目の前で叶う願いを聞くと絶対に叶えなきゃと思うな。城門爆破については今回、トレミーのGNミサイルで破壊する事になった。一個だけぶっ壊した後、兵を侵入させる。池田丸と平井丸と本丸の城門は、自らの力でやってみせろとな。丹羽衆・滝川衆と別れた俺達は、琵琶湖を望みながら西進し、やがて観音寺城の麓に到着した。
「ほう、こりゃすげえな」
安土の山をグルリと囲むように巡らさせた城壁。そして幾つか連なった峰のそこかしこに、その存在を主張するように鎮座する曲輪の数に圧倒される。
「なん
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ