十一章
観音寺城へ進軍
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のが良策と思えますが、この場合、強固な石垣に阻まれた後、曲輪よりの総攻撃を一身に受ける事になる。北側に目を転じれば曲輪などの防御施設は少ないものの、安土山の尾根そのものを土塁としており、こちらも易々とは突破出来ないでしょう」
「まさに難城。岐阜城とも趣の違う、うっとりするほど堅固な城塞です」
「ふむやはりか、俺としては裏技か正面突破だな」
「一真様は何か妙案でもあるです?」
「城を見るまでは分からんが、いくつか方法はある」
「ほお!あれ程難城を落とすための秘策が、既に幾つもお有りとは、さすがは一真様。参考までに、天上人で在らせられる一真様の策、是非拝聴させて頂きたい」
「んー・・・・・・・・・・・・嫌だ」
「何ですとーっ!?」
「さっきも言ったが、直接城を見たわけではないからな。城に着いてからのお楽しみということで」
「むぅ・・・・なかなか用心深くいらっしゃる。やはり葵様が天下のためにも、排除しなければ・・・・っ!?」
俺は排除すると言ったこいつに向かって、ホルスターから抜いた銃で悠季の頬をかすめるように撃った。そして斜め上に向けて発砲した。
「何か言った?女狐?」
「い、いえ。ななななな、何でもございませんぞ、あはははははははーっ!」
「うぅ、す、すみません。悠季は妄想癖が強く、それに先程のは鉄砲。頬にかすめる程の腕とは。あとでよーくいい聞かせますから」
「あんまり舐めてるとこいつの脳天にぶち込むから、注意だよ」
「全く!悠季は相変わらず信義の欠片のない、腐れワレメな奴です!一真様、こいつが失礼な事を言ったら、この前みたいに叩いてもいいですから」
「まあな。その時はその時で、殺気を浴びせるかハリセンで叩くか、或いはさっきみたいにするから」
久遠が以前言っていた、葵を天下人へ担ぎ上げたがってる松平家中の勢力。その一つが先程の女狐何だろう、え?何だって・・・・悠季?俺を舐めてる野郎には名前何てどうでもいい。
「とりあえず観音寺城が難城っていうのは分かった。兵はどうなの?」
「うむ。間違いなく尾張兵より強い。・・・・元々、近江は強者の宝庫であるからな」
「美濃の強者や江北武者と、年がら年中争っていましたからね。嫌でも練度は上がるというものです」
「なるほど。・・・・とりあえず防御は固く、兵は強いと。弱点はある?」
「私の見るところ、幾つかかございます。まず一つは当主である六角義賢・・・・今は承貞と名乗っておられますが、この現当主殿が、驚く程ぐらい家中に人望がないのです」
「だから、調略がこんなに効果があるという事か」
「はい。城内で意気横溢な部隊はそう居ないでしょう。・・・・そしてもう一つの観音寺城の弱点は、火力が少ない
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