十一章
軍議×出陣
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たせている。活躍できるかどうかは、俺達の采配によってかな。あとは規定を決めておけば大丈夫だろう。
「お頭ー!この書類に署名をお願いしまーす!」
「いいけどこの書類は何?」
「出陣に当たっての指図書とか、足軽達へのお給金についての書類です。お頭の署名がないと、正式なものとして提出できなくて」
「分かった。さてと、ちゃちゃっとやりますか」
と言って、ボールペンを出して次々とサインしていく。
「はい出来た。これでいい?」
「はい。これで完了です。お頭も矢立持っているんですね、一真隊は役職を兼任してますが」
「俺だって、事務仕事するよ。部下の報告書を読むとかな。で、出陣準備の方はどうなっている?」
「長柄組は準備完了してます。隊列ですが、前列に弓と鉄砲、その後ろに長柄。更にその後ろに本隊と騎馬、最後尾に小荷駄と工兵って形で行こうかと思います」
「問題ないな。黒鮫隊はいつでも出撃準備完了だし。ところで鞠は?」
「鞠ちゃんなら、小荷駄の上でお昼寝してますよ。出陣の時には起こして欲しいとの事でした」
さすが元お屋形様だ。肝が据わっているな、鞠は。
「お頭!ころちゃん!陣貝だよ!」
「聞こえてる!ひよ、そっちの準備は?」
「ばっちり!」
「こちらも準備完了です」
「よし!それでは一真隊、出陣!」
「各組は組頭の指図に従って行進しなさい!」
「応!」
意気揚々と長屋を出発する一真隊を見送りながら、俺は仲間達と今後の手順を再確認する。
「まずは六角氏を攻略だ」
「南近江に点在する大小の豪族には、既に調略の手が伸びており、概ね、こちらに靡いておりますれば、観音寺までの道に障害はないでしょう」
「壬月達が城を落として合流するのに、あまり時間はかからなそうだ」
「はい。織田本隊、松平衆、柴田衆が揃えば、観音寺城もすぐに突破できる・・・・と良いですが」
「観音寺城は攻めるに難く、守るに易い山城ですから、攻略に時間が掛かってしまうかもしれません」
「ほう。なら久々に城に忍び込むか、黒鮫隊による城門爆破と降下作戦による作戦にした方がいいな」
「そうですね。その時になったら一真様は黒鮫隊と指揮及び行動をして下さい。一真隊の指揮は私達がしますので」
「よし!我らも出発する!」
「「はいっ!」」
美濃を出発した俺らは、関ヶ原を抜けて近江路を行軍する。途中で、壬月、和奏、犬子の三人と別れ、軍団を再構成してさらに西進した。トレミーは、無論俺らの真上におりながら、微速前進をしてる。観音寺までの道中に、幾つかの小城が行軍を阻むが、織田木瓜が見えた途端、城門を開いて降伏してくる豪族達がほとんどだった。
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