十章 幕間劇
三若×休憩
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見るだけでは分からんな。
「ふふ、これ最新作なんだー。一緒に誰かに試してみない?」
「それやったらまた壬月の雷が落ちるぞ」
この忙しい時期に悪戯をやったら拳骨だけでは済まないだろう。
「そっか。でもいつかやろうね〜」
「ああ、いつかな。それより忙しいんじゃないのか?」
「そりゃそうだよー。ホントは一真さんとお話してる暇ないくらい大忙し〜」
「だったら、話しかけるなよな」
「ふふ、それはそれ、これはこれって奴?おっと、ごめん。今日はホントに時間ないから行くね〜」
「準備頑張れよ」
「はーい」
と雛は行ってしまったがいつの間にかいた和奏。
「一真だってやる事あって城まで来たんだろ?いいのかよ、こんなところに立ち止まっても」
「和奏も忙しいんだろう?」
「そりゃな。戦の準備何てやりだしたらキリがねーし」
「そうか。いつもご苦労さん」
「けど戦う楽しみが待っていると思えば、面倒な準備にだって気合が入るってもんさ」
犬子や雛も同じなのかもしれない。大変だと言いながらも笑顔で浮かべているのだと。
「忙しいんなら、貴重な時間で話しかけてくるなよな」
「それについてお互い様じゃん。寧ろ一真はボクら三人分の時間を取ってもらってる訳だしさ。こっちが好きで話しかけてんだから、一真は気にしないでくれよ」
「俺だって三人がこうして時間を作ってまで俺に話しかけてくれたんだ。それは素直に嬉しいと言っておく」
「へへ、そっか。よかった。あ、わりぃ一真、ボクも行かないと」
「そうか、頑張れよ」
「おう!」
さてと、俺の仕事も終わらせるか。なぜかは知らんが、足取りも軽かった。
「確認だけでこんなにかかるとはな。やはり、戦の準備ってこんなにかかるものなのか」
「あれ、一真様?」
この後の事を考えながら歩いていたら前から三若と出くわす。
「何だよ一真、まだ城にいたのかよ」
「まあな。そっちはどうだ?」
「んー、ぼちぼちってところかなぁ」
「だねー」
「そうか。三人とも、もし時間があれば休憩にしないか?」
まだやらなきゃいけないしーとかいいつつも、気で分かるんだけどな。あとは瞳を見ていてそう思ったし。
「お前ら、瞳を見てもバレバレだぞ」
「へぇ、分かるんだ」
「犬子達、そんなに疲れてるように見えるかな?」
「お見通しだ、これぐらい分からないと上司にはなれないからな」
ちょっと強引にして三人を押してから、中庭に向かう。四人並んで座って一休み。
「やはりこういう時間も必要だな」
と言いながら翼を展開させて、三人周辺に翼を当てる。大きくも出来るから三人くらいは余裕だ。
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