十章 幕間劇
竹とんぼ×恋心
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ものだという事を、私は初めて知りました。だから感謝をしているのですよ、一真様には」
「それは単に俺に恋をしているとしか聞こえないな。胸の奥からというのは、恋の証だ。そしてこれは愛の告白ともいうが」
「そうだな。一真様の言う通り、そういう話をするのなら時と場所を選んだ方がいいぞ」
「あっ・・・・」
横から聞こえた壬月の声に、麦穂は周辺を見ると子供達が興味を示していた。やれ、愛の告白だのこの前姉ちゃんに告白した兄ちゃんもこんな感じだの。
「っ、違います!告白だなんてそんな・・・・」
麦穂は涙目になって黙り込み、うつむいてしまった。俺が素直な感想を言ったから止まったけど、一歩遅かったようだ。で、不意に勢いよく顔を上げると、赤く染まったまま顔を俺に向けてきた。
「とにかく、心配をするのは私の勝手なので一真様が気に病む必要はありません。だからと言って、あまり無理されても困りますけどね。では私はこれで」
麦穂は一方的にまくし立てると、逃げるようにその場から小走りに去って行った。追いかけない方がいいかなと思い、作業に戻ろうとした。
「全く。一真様の勘なのか鋭いですな」
「そうじゃないと妻はいないよ。それに女心は分かっているつもり何だが」
「しかし、麦穂とも付き合い長いが、あのように初々しい乙女のような姿を見るのは初めてだ。いや、麦穂だけではないな。一真様が現れてからというもの、久遠様や結菜様、他にも色々な者達が今まで見せた事のない一面をさらけ出しておる。全く。飽きぬな、一真様といると」
壬月はそう言いながら、にかっと郎らかに笑い、俺の頭をくしゃくしゃと掻き混ぜるように撫でてくる。あーあ、一応セットしてあるのに、こりゃあとで直さないと。
「柴田様、早く新しいの作ってくださいよー」
「あいつら、僕達に貸してくれないんです」
「何だよ。お前らは先に飛ばしたろ」
「そうだそうだ。順番でやっているだけじゃないか」
「あー、分かった分かった。すぐに人数分作ってやるから、こんな事で喧嘩するな」
壬月は呆れたように笑いながら、作りかけだった竹とんぼを素早く仕上げて立ち上がる。
「それっ!」
「わぁぁぁぁぁいっ!!」
壬月が飛ばした新たな竹とんぼを追って、子供達が再び走り出した。その様子を少しだけ眺めた後、壬月が笑顔で俺を振り返る。
「一真様、早く作ってやれ」
「はいはい。すぐにやりますよ」
俺ならともかく麦穂を散々振り回した後なのに、そんな事はなかったかのようにしていた。良くも悪くもマイペースのようだ。そして俺も作り終えた竹とんぼを飛ばした。そしてそれを眺めていたら本物を出すかと思い俺は、空間の中にあるスナイプ・ゼロをヘリにした。大人が十人位乗れ
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