十章 幕間劇
竹とんぼ×恋心
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穂かな?壬月は気付いていなさそうだけど。
「よし。さっそく今夜にでも頼んでみろ!麦穂なら必ず・・・・」
「おいおい。勝手に話を進めるなよな?俺はいいけど、もし麦穂が嫌なら俺はしないつもりだ」
「では、私が隣で見張っててやるから、安心して励むがいい」
俺はだからと言おうとしたら、麦穂が近付いて来たためやめた。
「壬月様。一体何の話をしていらっしゃるのですか?」
「あ、やっぱ麦穂か」
そこにいたのは、凄みのある笑みを浮かべていた。麦穂は俺達の背後に立っていた。
「全く。当人のいないところで、話の種をする何て感心しませんよ」
「何だ、盗み聞きしておったのか?」
「たまたま通りかかったら、私の名を呼ぶ声が聞こえたから来てみただけです。そしたらもう何て話をしてるんですか」
「どの辺りから聞いてたんだ?麦穂」
「あの・・・・あれは随分一真様の事を気に入っているようだし・・・・の辺りから」
最初からか。通りで、遠くから麦穂の気があったからな。気にはしてた。わざと泳がしていたけど。
「でも、一真様の事を気に入っているのは確かだろう?」
「た、確かに一真様には、好意も持っていますし、信頼もしております。ですが先程の話とは別の話で・・・・」
「何だ、まどろっこしいなぁ。お前も聞いていたであろう?一真様は承諾があればの事だったか」
「まあ、あちら側から求められたら素直に受け止めるしかなかろうな。それに俺がもし言ったら断る事も出来るけど出来なさそうかな?」
「っ、それは・・・・」
あ、赤くなった。そういう所も可愛いんだよな。恋姫世界のお姉さんだと紫苑だけどここだと麦穂だもんな。
「そうだ一真様。いい事を教えてやろう」
「いい事?」
「ああ。こないだ、一真様達が黙って鬼退治に行った時の事だ」
「壬月様!?その話は・・・・」
「一真様が出かけて行ったのを知ってから、麦穂の奴がどうにも心配だったらしくてな、失敗を繰り返して大変だったのだぞ」
「え、そうなのか?」
麦穂は赤い顔を横に向けた。恥ずかしそうに目を伏せていた。
「なら、謝罪させてくれ。心配させた事をな」
「いえ、一真様が謝る必要はありません。一真様はあの森一家よりもお強いと聞きました。ですので私が勝手に心配してるだけで」
「そうか。まあ強いのは認めるし、半分戦闘狂だけどな」
「それに、心配な事は心配なのですが、何といいますか・・・・充実感のようなものも同時に覚えているのです」
「充実感?」
「はい。無事を願い一真様を思い浮かべると、こう、胸の奥が熱くなるような感じがして。誰かを想うという事が、こんなにも気持ちを高ぶらせ、心を豊かにしてくれる
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