十章
一真隊の現状×鉄砲運用
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「途中からいないと思ったら、お茶を淹れてたのか。まだ出陣の準備とかで仕事が残ってる。恋人を寂しがらせないように、出来るだけ近くにいる。結菜も何かあったら言ってくれよ?大事な恋人何だから」
「分かってるわよ、それに一真がそう言ってもらえると思ったし。いつでも待ってるからね、いってらっしゃい」
結菜に見送りを受けた後に、鞠達を連れて長屋に戻る。庭門を潜ると、長屋の中は出陣の準備で、夜なのにまるで祭みたいに騒いでいた。
「ほう、さすがだな。俺がいない間に物事が進んでいるとはな」
「えへへー!」
「頑張って準備してますから!」
「こっちの隊は任せっきりだが、助かる」
「いつでも頼ってくださいね!私達、お頭のためならどれだけ頑張れちゃいますから!」
「ところでお頭、その子は?」
「ああ、紹介する。一真隊の新しい仲間で、鞠と言う。皆で仲良くしてあげてくれ」
「うわーっ!かわいいー!」
「ホント、どこかのお姫様みたい。・・・・お頭、どこで攫ってきたんですか?」
「攫ってきてねえよ。鞠とは長久手で出会った。訳有の理由があってな、俺が面倒する事になった。鞠、このお二人に名乗れ」
「うん!あのね、鞠の名前は今川治部大輔氏真、通称は鞠って言うの!よろしくなの!」
「じぶのっ!?」
「だゆうさまっ!?」
鞠の名乗りを聞いた瞬間、ひよところの顔が青くなった。スライディング平伏か?砂埃が舞いそうな勢いで、鞠から距離をとって平伏しようとする二人。そんな二人の姿を見た鞠は慌てて平伏を止める。
「あぅあぅ、そういうのやめてほしいのー!」
「で、でも!」
「そ、そうですよ。今川治部大輔様と言えば、昨今、雨後の竹の子のように発生している自称官位ではなく、正式に任官されている、お貴族様!」
「私達のような、無位無冠な庶民が、直答を許される方ではありませんよぉ!」
おいおい、俺は神であるから普通に話してるだろうに。俺の横で鞠が、オロオロしながら助けを求めてくる。
「あぅぅ〜・・・・どうしたらいいの?一真ぁ」
「今鞠が思っている事を、きちんと言葉で言えばいいよ」
「うん・・・・あのね。確かに鞠は治部大輔なの。だけど今はもうただの素浪人で、一真が見つけてくれなければ、お腹がペコペコで死んでいたと思うの。だから鞠は鞠なの。そう思ってくれると嬉しいなーって・・・・ダメ?」
「鞠は今川氏真だけど、事情があって駿府屋形から落ちてきたんだ。で、長久手で見つけて・・・・」
「駿府屋形が落ちたってどういう事です?」
ころの疑問に答える範囲で答えた。今、鞠がどういう状況かをね。
「なるほど。じゃあやっぱりこの方は、本物の氏真公なんですね」
「でも、
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