十章
書状の中身×鬼退治の結果
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
な、・・・・女は見た目では分からない」
「ふふっ、よく分かってるじゃないか一真。話は分かったが、なぜ織田に来たのかが分からん」
それについては、書状を見れば分かると言った後に見た久遠。俺的な解釈で書状の内容は。まず駿府屋形で起きた異変に、そして信虎が乗っ取られた経緯と今川家終了宣言。まあ滅亡って言った方がいいかもな。鞠を連れて逃げた後、周辺諸国を見た時、鞠のためになりそうな勢力がいなかったからだ。北条は動きが鈍く、守勢の国であるから駿府を取り返すために力を貸せないだろう。松平は元家臣であり有能であるが、独立した以上、今川への意趣があるかもしれない。それに鞠を担ぎ上げて、東三河、果ては駿府まで己の物にする可能性が高いから鞠を任せるのは危険極まりない。
つーか、あいつ嫌いだしとか書かれていた。あと武田など以ての外。海を欲するが故に、必ず鞠を利用して、駿府を自分の物にしその後、鞠を処分するだろう。その点、織田は、田楽狭間の戦いがあったとはいえ、織田が勝利している時点で、今川への意趣返しはないだろう。また美濃を制圧した勢いもあり、駿府を取り戻すために動く可能性は十分高い。この書状を大義名分にした上で、鞠を担いで駿府を取り戻す形は、松平と同じであるが、現当主・信長が駿府をうまく治めるために、鞠を悪いようにしないだろう。うつけと呼ばれていた信長ではあるが、中々骨もあるし、美濃を制圧した手腕は並のモノではない。まぁ、これだけ賞賛したんだから、鞠を大切にしないと呪って祟って殺っちゃうぞ?というのが、おおまかな意訳満載の書状内容だ。
「全く、今川家というのは、上も下も、総じて居丈高なものだ」
「上から目線と言うより、呪うって事が満載だけど、言っている事は間違いないかと」
「そうだな。織田に目を付けたというだけで、朝比奈がどれだけ情報を集め、分析していたのかが分かる。我をうつけと侮りたい者が、まだまだ多い今の状況で、ここまで冷静に分析しているのは評価出来るな」
敵だった人に評価されて嬉しいのかな?久遠が珍しい事を言っている。
「で、鞠の事は、俺は保護したいと思う。今は上洛と越前の戦が先だからな、駿府を取り戻すのは、随分後半になるが鞠には我慢してもらう事になるけど」
「鞠は構わないの。国を追われて流浪人になった今、鞠、ワガママ言わないよ?」
「ふむ。鞠とやら。お前は何が出来る?」
「出来るって?」
「働かざる者食うべからずと言ってな。お前は駿府のお屋形様ではなく、一人の武士だ。ならば食い扶持は自らの手で稼がなければなるまい?銭や米を手に入れるために、お前は何を代価とするのか」
と鞠は考え出した。この子は意外と聡明で物分りが良い子だからな。
「んとね、鞠、一真の部下になるの!鞠ね、鹿島新当流皆伝だよ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ