十章
美濃へ帰還
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エーリカの言う通り、この国の人達を根絶らしにされるよ」
「そうなる前に・・・・」
「ザビエルを倒して、鬼を駆逐するしかないと思う」
「そのための上洛。そしてそのための越前討ち入りか」
「足利将軍という錦の御旗を手に入れて、周辺諸国に協力を要請する・・・・その流れは正攻法だと思う」
「ふむ、何か心配事でもあると?」
「独立独歩で勢力を築いてきた大名達が、名だけあって実のない足利将軍の言う事を、素直に聞いてくれるかな?とね。それも鬼の出現がまだ少ないかもしれない、畿内以外の大名が」
「ふむ。一理あるな」
「だが、言う事聞かなければ俺達の部隊で全力を持って退治したいと思う。それか神の名のもとに言う事を聞かせるかとか」
「まあそうだな。黒鮫隊の実力は分かっている事だが、一真様の御姿を見せれば言う事を聞くかもしれんな。仮にも一国の主が相手だが・・・・」
「そうだな。一真隊の皆の命も預かっているんだし、一人で背負い込む必要無いだろう?」
「そうだ。一真様は織田家の一員。だから一人で悩む必要はないぞ」
「分かっているさ。これでも軍の司令官なんだ。上司が部下の悩みも聞かないような者でもないから」
と言ってから、壬月はまだ仕事があると言って見送った。その後、俺は詩乃と鞠を連れて久遠の屋敷に向かった。
「ただいまー。結菜いるー?」
「あらお帰り。いつ帰ってきたのよ?久遠、心配してたんだからね」
「まあそうだろうと思っていたけど、帰ったのはついさっき」
「そう。それで今日はどうしたの?いつもなら長屋の方に行ってるはずなのに」
「今日の要件なんだが、急用でな」
「急用?何それ」
キョトンとした結菜に、俺は鞠の一件を詳細にして伝えた。
「氏真って・・・・久遠が討った義元公の娘よね?」
「そういう事。鞠、ちょっとこっちに来て」
「はいなのっ!えへへ・・・・鞠なの!こんばんはお姉ちゃん!」
「こんばんは、鞠ちゃん。・・・・この子が?」
「うむ。この子が今川彦五郎氏真。通称・鞠。出会ったきっかけは、さっき話した通りだ」
「・・・・??」
「こちらは織田久遠の奥さんで、俺の恋人でもある、帰蝶さんだよ」
「帰蝶?初めましてなの!」
「初めまして。通称は結菜だから、そう呼んでね。私も鞠ちゃんって呼んで良いかしら?」
共に自己紹介をした後に鞠をどうするかと聞かれたら、俺は保護と言った。久遠には何と説明するの?と聞かれたから、傅役の人から書状を預かってると。
傅役・・・・・家庭教師、お世話係など、いろんな意味を持つ。
「ところで久遠は?」
「ああ、久遠は部屋であなたの事を待っているから」
「じゃあ、
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