暁 〜小説投稿サイト〜
戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
十章
松平の殿到着
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「一真様ぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!」

「ぐぇっ!」

いきなりの事で反応できなかった。爆睡中だったしね。

「一真様一真様一真様!今しがた、綾那達の殿さん、松平元康様がご到着なされましたですー!早く!早く!起きるですよ一真様!」

「・・・・・・・・・」

「あや?一真様?どうかなされたです?」

「・・・・・・・・・」

「っ!!大変なのです!一真様が何故かムシの息なのです!だ、誰かですーっ!」

早朝から、綾那によるフライングボディプレスを受けて、一瞬だが魂だけ天界に行きそうだった。いくら神であっても、今は人間の姿。抜ける時もある訳が。慌てた綾那であったけど、何とか目を覚ました俺は服に着替えて外に出た。外に出るとセンスの良い鎧に身を固めた武士達が、下馬して立っていた。そしてその横にいたのが・・・・」

「よう、桐琴に小夜叉。いつ戻ってきた?」

「おう。ついさっきな」

「そっかー。で、鬼は全部駆逐したのか?」

「へへー。母と二人で二百と少しってとこかな」

「二百か。よくやった方だな、でも目の下にクマが出来てるが?」

「あー、寝ずに狩っていたからな。仕方ねえよ」

「そうか。で、肩慣らしにはなったのか?」

「うむ。大戦の前にだからの。準備運動は出来たわい。ところであっちのは誰だ?一真」

「まだ紹介受けてないけど、たぶん・・・・」

と言いかけた所で、綾那が後ろにいる少女を連れてきた。綾那は、俺の事をあの有名なとか言ってた。

「これは・・・・。田楽狭間に舞い降りた天人とは、あなた様の事でしたか・・・・」

微笑みとともに現れた少女。俺に向かって優雅な一礼をした。

「お初にお目に掛かります。我が名は松平次郎三郎元康。通称葵と申します。三河岡崎城主であり、松平家の当主として、此度、織田殿のお誘いに応え、上洛の露払いをすべく、参上仕りました。以後は葵と気楽にお呼び捨て下さいませ。向後、お引き回しの程、何とぞよろしくお願い致します」

名乗りを上げた少女が、再び、俺に向かって深々と頭を下げた。

「まあ、別にそんな畏まった挨拶をされたらこっちが困る。気楽で接してくれると助かるんだが」

「しかし、織斑一真様といえば、織田殿の恋人であって神仏の類として内外に響きかせる御方。私如き田舎小名が、頭を高くして良いはずがございません」

「あー、・・・・そうなんだ。でも今は人間であるし、神仏の類とか関係無しで、普通に接してほしいんだが」

「普通、ですか。・・・・では、あの、そう出来るよう、努力させて頂きます」

俺の申し出が予想外なのか、少し困惑する葵。想像より、狸少女っていう訳ではなさそうだけど。

「まあ、・・・・とりあえずよろしくな」

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ