九章 幕間劇
川釣り
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いが悪い分には問題なかったのですが。何せ三河者が相手でしたから」
「そんなにか。三河武士の基準は?」
「三河武士の基準は綾那さんでした」
「・・・・マジで?」
「はい。魚料理一つ取っても、単に塩辛いだけで。・・・・あちらの考えでは、魚はご飯のおかずになれば十分だそうで」
「同じ料理人とは思えない発言だな、俺の手料理や一発屋の魚料理も美味しいんだけど、お、また来たぞ」
と言ってリールを巻く。しばらくしたら、釣り上げたのでさっきと繰り返しになる。
「随分沢山釣れるな、こりゃ鞠達の土産になるかもしれない。詩乃はどうする?まだ見取り稽古してるか?」
「はい。見取り稽古させていただきます」
「けど、三河武士が綾那基準とは。綾那も悪くはないんだよな」
家康は狸だったらしいが、この世界では猪なのか。猪突猛進っていうくらい猪武者がいるかもな。
「一真様にとって、世の中に悪い女性などいないのでしょう?」
「俺にだって好みくらいあるぞ」
「そう何ですか?ですが、ひねくれ者の私も平気、猪の綾那さんも平気、森家のお二人も平気で、素直なひよ達や鞠さんも平気とくれば・・・・」
「だけど、考え方で好みは変わってくるぞ。例えば女尊男卑とかな」
「女尊男卑、女性が偉いと勘違いする事ですか?」
「まあな。別の世界だったが、女尊男卑の世界になってしまってな。男性差別する世界だった」
「好みは別として、三河も楽しいと思いますが、ひねくれ者の私にとっては苦難の連続でした。まあ収穫があったとすれば、織田がどれほど居心地がいいか改めて分かったくらいでしょうか。それにひよやころは気の回し方も上手いですし」
「あの二人はね」
天然なのか分からないが、心遣いには助かっている。
「あの呼吸は真似できません」
「他人は他人だ。詩乃は詩乃の良いところがあるのだから。それに詩乃は可愛いからな」
「・・・・だから居心地が良いのかもしれません」
小言を言っていたが、あえてスルーして釣りをしていた。結果は、数匹釣れたけど。で、焚き火の用意をしてから、ライターを取り出す。
「一真様、その小さな物は何ですか?」
「これ?これはライターと言う。ここで言うなら小型火打石みたいな感じか」
と言って、ライターで火をつけて焚き火準備完了。そして串を魚に刺してから、焚き火の近くに置いてから数十分後。
「そろそろ焼けたかな?うむ美味いな。詩乃、出来たぞ」
「いただきます。・・・・はむ。ああ・・・・美味しいです。これこそが塩だけの味ではない、ちゃんとした魚の味」
「それは何よりだ。今回は器具がないから、こんなもんか。今度は長屋で食べような?そしたら今度はちゃんとしたのを作
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