九章 幕間劇
行き倒れ×鞠の現状
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くてもいいからな」
「じゃあ・・・・一真?」
「そうだ。では俺の部下を紹介しよう。こちらが竹中半兵衛重治」
「通称、詩乃と申します」
詩乃はまだどこか不満があったようだけど、小さく頭を下げた。
「で、こちらの二人は俺の客人」
そう言って歌夜をちらりと見たら、小さく頷く。
「歌夜と申します」
俺が三河の二人を紹介するのはまずいからな。相手の正体が分からないし。次は綾那の番だったのだが・・・・。
「綾那は三河の本多平八郎忠勝。綾那でいいのです!」
っておい!堂々と名乗ってどうすんねん!
「だって、一真様が名乗ったのなら、綾那達も名乗るのが筋なのですよ。コソコソと名乗りも上げない何て、ご先祖様に申し訳が立たないのです!」
そう言っているが、ゴロゴロしながら名乗るな。それこそご先祖様の恥だと思うが。
「・・・・まあ、そうね。私は榊原小平太康政。通称は先程の通り、歌夜と申します」
「三河の・・・・だったら、ここはまだ三河なの?」
「ここは長久手だよ。清州や美濃まではもう少しあるけど、尾張だ」
「そっか・・・・よかったの・・・・」
小さく息を吐き、背筋を伸ばす。
「私は・・・・」
その一言で場の空気が凜と引き締まったようだ。床にゴロゴロしていた綾那でさえ、思わず体を起こして座り直している。
「そんなかしこまなくていいぞ。さっきも言ったが、礼儀作法で怒る人はいないから。気を楽にして構わない」
「そうなの?じゃ、そうするの」
と鞠が微笑めば、さっきの空気はあっという間に普段通りになった。
「鞠の名前は、今川彦五郎氏真。駿河から、尾張の織田三郎殿に会いに来たの!」
「うわあ。大物じゃねえか」
「そうだ、今川彦五郎様だ。やっと思い出した」
「今川ってあの今川か?」
「しかも彦五郎殿と言えば、今川家の現当主ではありませんか・・・・」
わおー、すげえ大物じゃん。武将は皆若いから、何となくだった。しかも久遠も眞琴も一国の主。双葉もあの歳で、将軍の影武者をやっている。ある程度は予想してたが、こんな小さな女の子が当主とは。まるで、恋姫世界にいた朱里や雛里みたいだな。あの時も、本当にこの子が諸葛亮孔明と鳳統士元だとは思わないようなギャップ萌えだったな。
「で、鞠。何で今川家当主が、たった一人でこんな所にいるんだ?」
まさか、たった一人で仇討ちしに来たのかな?東海一の弓取りと言われた今川家の事だし、それはないな。仇討ちするなら軍を率いてくるはずだ。
「駿府屋形が、武田に落とされたの」
駿府屋形・・・・駿河国守護が在す館。
「・・・・・っ!」
もう何でも来い!みたいな感じだったが、鞠の一言で覆
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