九章 幕間劇
行き倒れ×鞠の現状
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杯にお茶碗を持った。
「むぐむぐ・・・・はむっ・・・・。ん、むぐ・・・・っ」
うんうん。礼儀作法無しで食べる女の子も可愛いよな。あっという間に空っぽになったお茶碗を置いて、女の子はそわそわし始める。
「おかわり、いる?」
「うぅぅ・・・・大丈夫、なの」
と言った瞬間に盛大にお腹が鳴った。なので、歌夜がおかわりをもらって行こうとした。俺は遠慮するな、と言ったらおかわりと言ってきたら、綾那もお腹すいたとか。
「ふぅ・・・・ごちそうさまなの」
「ごちそうさまなのです!」
女の子の隣で同じように両手を合わせた綾那は、そのままごろりとその場で転がってしまう。
「あー。お腹一杯なのです」
「綾那。お行儀が悪いわよ」
「さっき一真様も仰ったですよ。ここには礼儀作法で文句を言う人はいないと」
「程度を考えてよ・・・・」
歌夜は呆れていうが、綾那は知らんぷりでゴロゴロしてる。俺はお腹一杯になった女の子に聞いたら、元気一杯に答えてくれた。
「じゃあ、少しお話をしよう」
「お話?」
「そう。まず君の名前を教えてほしい」
「名前・・・・」
「うむ。いつまでも君呼ばわりは失礼だしね、それに何て呼んだらいいのか分からないだろう?」
「ええっと・・・・・・鞠なの」
明らかに間があったな。何か隠しているのかな。俺は詩乃を見ると、詩乃も怪しく思ったようだった。
「じゃあ鞠か。通称じゃなくて本名を教えてほしい」
「・・・・・・っ」
それきり、鞠は黙ってしまった。でも、思いっきり警戒している訳ではなさそうだ。この子からは、敵意を感じないし。
「あの・・・・」
「ここは俺に任せろ。・・・・で、鞠よ。本名は誰にも言うなと言われたのだろう?」
質問をしたら黙ってしまったので、ここは肯定と見よう。しばらくすると、小さく頷いた。
「そうか。じゃあ仕方ないな」
「・・・・いいの?」
「鞠はその人と約束をしたのだろう?じゃあその約束を守らないとな。破らせる訳にもいかない」
「あ・・・・ありがと・・・・なの」
「じゃあ、鞠が名乗ってくれたからこちらも名乗ろう。俺の名は・・・・」
と言おうとしたら、俺の袖を引っ張る詩乃。何でも草=スパイの可能性があると。こんなに良い服をした子がスパイだとは思えない。
「それにこの子からは、草の匂いというか敵意がしない。だったら名乗っても平気だろう」
「そうですか。ならよろしいかと」
「改めてだが、俺の名前は織斑一真。通称はないから気軽に一真と呼んでほしい」
「織斑一真様・・・・?まさか、織田三郎殿の・・・・」
「うむ。織田三郎信長の恋人、ここでは彼氏か。様付しな
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