第五十七話 全てが終わってその七
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「そうなの」
「同じイギリスだから」
「ううん、本当にいいのはティーセットだけなのね」
「そう思っていいわ」
「しかも向こうはお水が悪いっていうから」
その唯一と言っていい看板ですらだ。
「それもよね」
「お水はもうね」
「どうしようもないのね」
「お水が違うとお茶は違ってくるのよ」
これは料理全体に言えることだが特に茶やコーヒーは飲むだけにとりわけそうなるのである。美味い茶は美味い水が作るのだ。
「普通の水道水と天然水でも違うっていうでしょ」
「みたいね」
「元々紅茶はあちらのお水を考えて作られているけれど」
イギリスのお茶だ、それも当然のことだ。
「日本の方がお水がいいから」
「何か私イギリスに行きたくなくなったわ」
「一応言っておくけれどロック発祥の地よ」
ロンドンからはじまる、このジャンルにおいてイギリスは今でも世界をリードしていると言っていいのである。
「それでもなのね」
「何かね」
そこまで聞くとだというのだ。
「私もね」
「食べるものは大事だからね」
「ええ、それじゃあ」
困った顔で言う琴乃だった。
「いいわ」
「何かの漫画の映画でイギリスに行ってたけれどね」
「あれは映画だからね」
だからだというのだ。
「実際に行くとなると」
「別にいいのね」
「それにロックは日本にもあるしアメリカの方が」
イギリスよりむしろだというのだ。
「よくないかしら」
「アメリカね」
「アメリカの方がずっと食べものはいいわよね」
「元はイギリスの植民地だけれど最近かなりよくなってきたそうね」
「だったらね」
それならだというのだ。
「そっちに行くわ」
「行くとすれば」
「それにアメリカからは阪神の助っ人も一杯来てるし」
このことは昔からだ、だから阪神ファンの多くはアメリカという国を嫌っていないのだ。無論個人の考えが関わるが。
「特にバースも」
「あの人はオクラホマ出身よ」
アメリカのオクラホマ州出身だ、それで来日した当時はオクラホマ=キッドという仇名で売り出されたのだ。
「そこで牧場をやってるわ」
「今もよね」
「今も日本を大好きらしいわ」
最初は親日派ではなかったそうだが阪神ファンの信仰と言うべき応援を受けて日本を愛する様になったのだ。
「特に阪神ファンと阪神をね」
「あの人阪神のユニフォーム似合ってたわよね」
「あのユニフォームは誰でも似合うけれどね」
代々のユニフォームがだ、どんな人間が着てもだ。
「けれど確かにバースは」
「物凄く似合ってたわよね」
「やっぱり心があるとね」
「心なのね」
「そう、阪神を好きな気持ちがあれば」
そして甲子園、何よりもファン達をだ。
「阪神のユニフォームもね」
「似合うのね
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