第百五話
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第百五話 魚介類の前に
調理になった、だがここで。
美奈子は早速まな板を出して包丁を握った華奈子にこう言った。
「魚介類がメインだけれどね」
「シーフードカレーだからね」
華奈子もその美奈子に応える、包丁を持ったまま・
「それはね」
「けれどね」
「わかってるわ、魚介類を切る前にね」
「そう、お野菜を切りましょう」
「サラダ用のもよね」
「魚介類の匂いがお野菜につくから」
先に包丁でそういったものを切るとだというのだ、美奈子はこのことを頭に入れてそのうえで華奈子に言うのだ。
「だからね」
「そうそう、わかってるから」
「そうよね、けれど念の為にね」
「あたしだってお料理するから」
だからだと答える華奈子だった。
「わかってるからね」
「そういうことでね。むしろシーフードカレーだから」
「後で入れてもいいからね」
「そう、それでね」
それに加えてだった。
「烏賊や蛸の内蔵はね」
「取ってね」
「まああく抜きとかの心配はいらないから」
今回はというのだ。
「内蔵は出してね」
「捨てるのね」
「ええ、それはね」
「タラは切り身だから」
そちらはだった。
「別にいいわね」
「あと海老はね」
続いてはこれだった。
「頭も足も殻も取って」
「尻尾も取るわね」
「取りましょう」
それもだった。
「出来る限り食べやすくね」
「じゃあ貝殻も取って」
「勿論よ」
それもだった。
「入れるのはずっと後でいいから」
「シーフードカレーだからね」
「そう、シーフードはよく煮たらかえって駄目だから」
とにかくこのことは念頭にある美奈子だった、普通の肉と魚介類の大きな違いである。それをわかってだった。
「後でいいから」
「そうよね」48
こうした話もしながらだった、二人は早速包丁を握っていた。そのうえでまずは野菜から切っていくのだった。
第百五話 完
2014・2・7
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