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少年と女神の物語
第三十七話
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界くらいなら貫いてやんよ』
「無茶苦茶だな、おい・・・」

 何でもありか、神具ってのは。
 もしかして、これが正式な所持者になった結果なのだろうか・・・

「・・・まあ、いいや。帰れるならそれで」
「・・・帰る算段はついたのですか?」
「ついたっぽいな、うん」

 俺はそう言いながら左腕の力を抜き、ブリューナクを出す。

「腕がないから足で撃つが、いいか?」
『ま、それくらいのことは気にすんな。オレたちは、テメエの槍の腕を認めてんだ』
『どのような使い方であれ、槍を使うあなたの技量はかなりのものでございます』

 槍本人から認められるってのは、嬉しいもんだな。
 そういや、なんで腕がないのにそこから声が聞こえてきたり、腕の力を抜く感覚があったのだろうか・・・

『んなこと、どうでもいいだろ』
『考えても無駄ですよ、主』

 さいでっか。

「じゃあ・・・いくか」

 地面に立っているブリューナクを足で弾き、戻ってきたところを足の甲で思いっきり、言霊を唱えながら打ち上げる。

「ブリューナクよ、全てを貫け!」

 そして、出来上がった穴に向かって少女を抱きつかせながら跳んだ。
 ・・・いや、変な意味じゃなく。腕がないから、抱えたり出来ないんだよ。

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